福島県教育センター所報ふくしま No.49(S55/1980.12) -029/034page
(イ) 1単位時間の学習の展開にあたってたしかめの手段や方法を明らかにし,フイード バック活動が確実に行われるようにする。
目標行動設定の一般条件
(1)学習の成果として獲得されるべき望ましい行動を書く。 ……内容的要素「何を」(2)行為で示すことばで文末を書く。
学習者の行動が観察可能な場面を設定し,表現する。 ……行動的要素「どのような行動で」(3)学習者の示す行動の程度を示す。……行動的要素「どのような行動で」[4] 基礎的・基本的事項をおさえた1単位時間の授業過程
ア.学習指導案の形式・内容
イ.指導の重点をおさえるための着眼点
(ア) 授業の目標が確実に達成できるよう,目標行動にそったチェックポイントを明 らかにし形成的評価を適切に行う。 (イ) 本時学習の基礎となる生徒のレディネスを正確にとらえる。 (ウ) 教材の特質に応じた指導内容や学習活動をおさえる。
・指導の順序
・指導の重みづけ
・時間配分[5] ひとりひとりを生かす学習の展開
ア.個性や能力に応じて,積極的に学習に取り組ませる学習のしかたを身につけさせる。
・ 既習の経験を生かせる課題の構成や場の設定 ・ 指導過程の中で思考を深め,自ら探究していく過程の重視 ・ ひとりひとりの考えを大切にし授業に生かす工夫
イ.機器を活用し,学習の個別化をはかる。
・ 学習内容の的確な提示と個々の生徒の活発な反応や行動を促すKR情報を重視する。
ウ.主体的学習を促す小集団学習の場を設定する。
・ 思考を深めるための話し合いの効果的な指導過程への位置づけを工夫する。 ・ 教材の特質に応じて思考活動を高める集団思考と個人思考とのかかわり合い。
エ.目標行動にそったたしかめの機能を生かし,フィードバック活動を適切に行う。6.研究の反省と今後の課題
繁雑な日々の教育活動のなか,十分に研究の意をつくせず,研究不足な点も多々あった。なかでも,移行期における新学習指導要領を志向しての研究の難しさを痛感した次第である。ただ,この研究を通して九教科足なみをそろえ,同人全員が新学習指導要領の趣旨の理解につとめ,新教育課程完全実施へむけて自信めいたものが得られたことは大きな成果として受けとめたい。今後,基礎的・基本的事項をより一層確実に身につけさせ,次の学習への発展の基礎を養い,創造的能力の素地を培うため次の点を課題として,たゆまぬ研究の歩みを続けたい。
(1) 各教科の全体構造と本校生徒の実態に立脚した指導事項の選択と配列を工夫した指導計画 の樹立と授業の設計
(2) 教材の精選と教材分析を一層強化し,指導のねらいに最適な生徒のなじみ深い素材の教材 化と教材の提示,学習展開の工夫
(3) レデイネスを明らかにし,目標行動にそったたしかめを一層確実にする指導と評価の一体化