福島県教育センター所報ふくしま No.56(S57/1982.6) -009/042page
小・中学校教材
太陽の動きを観測・記録する装置
一楽しみながら取りくめる天体学習一科学技術教育部 入道 正
1. はじめに
天体学習の第一歩は,天体の観察や観測から始まる。小学校では,身近かな太陽や月の1日の動きの観察・記録をもとに学習が展開し始め,しだいに観察範囲を全天の主な星にまで広げて,天体の1日の動きの規則性を発見させ,中学校では,さらに天体の日周運動から地球の自転を推論させる学習へと発展する。
一方,季節によって太陽の南中高度が異なり,日の出や日の入りの方位が変化する現象をとらえ,小学校では,太陽の1日の動きや,四季の太陽の1日の動きを観測させ,太陽の高さの変化が地温や気温などの変化と深い関係があることを理解させる。また,中学校では,季節による太陽の南中高度の変化から,地軸が傾いて公転していることに気づかせることをねらっている。
このように,天体学習をすすめるにあたっては,太陽や月や星の動きを正しく観察・測定し,その記録を教室に持ち込まなければならない。
今回は,学校で手軽に作れる太陽の動きを観測する簡易太陽高度・方位測定器と太陽の1日の道すじを記録させる太陽の動き自記装置の作り方と用い方について紹介する。
2. 簡易太陽高度・方位測定器
(1)材料
・ラワン材 4p×25p×1.5p 1枚
・ピアノ線 φ1mm,18.5cm 1本
・分度器 半径9p 1枚
・釘 1.5cm 2本(2)作り方
1. 図1のように白ペンキで仕上げたラワン材に分度器を釘で固定する。
2. ピアノ線を図3のように曲げる。この時,曲げたピアノ線は同じ平面上になるように曲げる。
3. 2.で折り曲げたピアノ線を台にとりつける。
ピアノ線Bは分度器に垂直になるようにして,U状の釘でとめるが,その際,ピアノ線Bが回転できるようにとめる。また,ピアノ線AとBが平行になっているか確かめる。