福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -016/038page

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研 究 報 告
   昭和56年度学校経営(A)講座

校務分掌の機能化をめぎす運営の改善

須賀川市立稲田中学校 校長  小野寺 寿 雄

                       (前福島第四中学校)

1.研究の趣旨

 本校は,学級数25,職員数43名の大規模校で,職員の平均年齢も43歳で比較的高く,経験年数の長い職員が多数を占めるためか,校務分掌の仕事 も,長年の経験や慣習に基づいて処理することが多い。

 例年,年度初めに校務分掌組織が決定し,新年度の教育活動が展開されるが,年度末の反省では いつも,次のようなことが指摘された。
(1)特定の個人の負担が過重になる傾向がある。
(2)校務の処理が十分行われない係がある。
(3)校務の処理がマンネリ化し,創意工夫を生かすことが少ない。

 これらのことから,校務分掌組織が十分にその機能を発揮していないことがうかがわれ,その原因として,
・校務の分担が不均衡ではなかったか。 ・校務の処理が主任まかせになっているのではないか。・適材適所主義で分担が固定化しているのではないか。・職員を配当する手順に無理があったのではないか。 ・校務分掌の意義,内容や事務処理の手順等について,職員の認識が足りないのではないか。
等が考えられた。これらの対策として
 ア,校務分掌組織機構を検討して改善する。
 イ,適切な指導助言を行い,運営を改善する。
 ウ,校務分掌事務の内容や処理の手順を明らかにする。
 などがあげられる。

 そこで,この研究においては,研究の時期,期間等の制約を考慮して,指導助言による運営の改善に焦点を当てるのが効果的であると考え,この研究を進めることにした。

2.見とおし

 校務分掌事務の処理について,指導助言を適切に行い,運営を改善すれば,校務分掌に対する認識が深まり,組織は機能化するであろう。

3.研究の方法と対象

(1) 研究の方法
1 文献研究 6〜7月
2 本校職員の意識調査 7月
3 調査結果に基づく改善策の策定 8月
4 改善策の実践と効果の判定 9〜11月

(2) 研究の対象
  本校職員39名  (校長,教頭等を除く)

4.研究の結果と考察

(1) 研究の背景となっている本校の実態
 1 職員構成

性別\年齢 20代 30代 40代 50代
  男 14 27
  女 13
  計 22 40

 2 校務分掌組織機構(機構図省略)教務,指導,庶務の3部,36係で構成単位校務数は212(事務関係を除く)
 3 現在の校務分掌事務の継続担当年数
 1年・・・・・16名   2年・・・・・・13名
 3年・・・・・6名   4年以上・・・4名
 4 昨年度の校務処理状況
処理率 2) 50%以下 50〜80% 80%以上
係の数 25 36


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