福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -021/038page

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研 究 報 告
   昭和56年度学校経営(A)講座

生徒指導組織の効果的な運営

須賀川市立小塩江小学校 校長   芳 賀 常 夫

                     (前石川町立石川小学校)

1.研究の趣旨
 生徒指導を進めるに当たっては,物的・人的条件を整え,それらが,生徒指導の目的達成に有効適切に働くようなシステムをつくることが必要である。そして,それに基づいて教職員が各自の分担する仕事を意欲的に遂行していかなければならない。
 本校は,石川郡のほば中央にあり,児童数1,145名,30学級(養護学級2),教職員40名の規模である。生徒指導上特に配慮しているのは,児童の家庭生活の変化への対応,基本的生活習慣の形成,自発性の伸長,非行の防止等である。これらを,生徒指導組織の一つとしての生徒指導委員会を軸として指導してきている。すなわち,月一回の定例会を開き,校内・校外生活指導,問題傾向を持つ児童の指導,児童理解,教育相談,事例研究のあり方等について協議し,指導の方向づけと結果の反省をしてきた。
 しかし,5月に行った生徒指導に関する教職員の意識調査によると,次のような問題が出されている。
(1)教職員の共通理解を深め,全員による一貫性ある指導が必要。 (2)係まかせの傾向があり,各自の責任ある指導が大切。 (3)月の生活目標等が児童人一人に浸透しないことがある。
(4) 生徒指導委員会,生徒指導関係の諸係,各学級問の相互連携を深めるべきである。
 これらは,校内の指導体制(組織,計画,施設,設備,運営)の中で,主に運営面に改善すべき点があることを指摘している。そこで,生徒指導組織のうち,特に生徒指導委員会に焦点をあてて,そのあり方を見直し,各係の分担内容を明確にし,運営の仕方を改善して指導の効果を高めたいので,本主題の研究に取り組むことにした。

2.見とおし
 生徒指導組織の中核としての生徒指導委員会の役割を明確にし,運営方法を工夫することにより,各係,各学年との連携が一層密になり,指導の効果が高まるであろう。

3.研究の方法と対象
  (1) 研究の方法
  1 生徒指導に関する文献研究
  2 生徒指導と管理職のあり方に関する文献研究
  3 教職員の実態調査
  4 児童の実態調査
  5 生徒指導委員会運営計画作成(試案)
  6 生徒指導関係各係の月別実践計画作成(試案)

 (2) 研究対象
  1 本校職員 37名(男20・女17)
  2 児  童 1,145名

4.研究の結果と考察
(1)生徒指導委員会の運営改善に関する調査
 1 児童対象(3年・5年)に,月の生活目標の理解と実行のようすを調査した。これは,指導委員会の協議事項がどう実践されているか見るためのものである。結果は,理解・実行とも良くなかった。

 2 教職員対象(37名) 生徒指導委員会の改善点について調査した。その結果は次のページの通りである。これらの意見を生かして運営改善の手だてを工夫し,実践してみて,児童と教職員の変容をとらえたいと考えた。


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