福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -020/038page

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  設ける等の手だてが必要であったと思われる。
 ウ,調査3 は,指導助言が有効であったとした場合,その内容を探ろうとしたもので結果は,「校務の意義の自覚」「校務内容の明確化」「処理方法の指導」の順になっている。しかし,指導助言の内容は,その係の問題点に即して行うので,この結果だけから,有効な指導助言の内容について一般化するわけにはいかない。

(5) まとめ
 校務分掌組織の機能化をめざして指導助言を試みた結果,約3分の1の職員が,昨年度よりも校務分掌の仕事を活発に行ったという意識を持っていることが分かった。しかし,校務分掌の仕事を活発にさせる要因はいろいろ考えられるので,ここで,指導助言との因果関係を断定することは避けたい。
 ただ,「昨年よりも活発であった」と回答した職員に対する指導助言を振り返ってみると,次の2つの条件のいずれかを満たしていた。
 ・指導助言を受ける職員との間に,深い信頼関係がある。
 ・指導助言する内容について,論理的な説得力を持っている。
  したがって,この条件のもとに,前記の基本姿勢で指導助言を行えば,それは有効に働き,その結果 校務分掌組織は機能化するものと考えられる。

5.今後の課題

校務分掌組織の機能化について,指導助言という指点から追究してみたが,機能化の方途は,もちろん,これだけではない,本校においては,次のような課題が残されているので,今後,その解決を図って行きたい。

(1) 各係の校務内容を,より実質的なものに整理すること。
 校務分掌規定の中には,理想的すぎて実践が困難な内容も規定してあるので,本校の教育目標達成のために,それぞれの校務がどのような意味をもつかをよく検討して整理する。
(2) 校務分掌係会を定期的に開くこと。
 係内で定期的に会合を持ち,校務の分担や処理の過程における連絡調整等を行う。又,そのために,係会の運営要項のようなものの作成も検討したい。
(3) 分担したそれぞれの校務について,年度ごとの課題を明確にすること。
 年々変化する学校の実態に対応するために,年度初めに本校の課題を明らかにして,それぞれの校務が,その解決にどう役立つかを認識させることも,機能化を図る上で大切な要因ではないかと思われる。
(4) 主任等の研修会を持ち,その指導性が発揮できるようにすること。
 主任等については,組織上明確に位置づけられており,その校務内容についても規定されているが,総括する係に対して実際に指導助言することは少ないので,主任としての意識を高め指導助言の内容,方法,時期等について研修を深める機会を設けたい。

6.参考文献

 ・校務分掌の組織と運営・宇留田敬一他(明治図書)
 ・現代学校経営講座(5)・牧昌見他(第一法規)
 ・学校経営に関する研究・昭和55年A講座(福島県教育センター)
 ・所報・45(福島県教育センター)
 ・学校運営研究・223 225(明治図書)

7.その他(用語について)

1)単位校務………始めから終りまでの一まとまりの校務を指す。
2)処理率…………処理した単位校務数/処理すべき単位校務数×100(%)


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