福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -025/038page

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(エ)実践の結果について学年で反省して生徒指導委員にでていますか。
  項  目   人数
よく話し合ってでる 23 77
係の先生にまかせてしまう 20
結果のたしかめをしない

考察
(ア)目標を一本化したことに対して,全員効果的な指導がしやすいと回答している。これは,目標がしぼられたことにより,あれもこれもと手をつけることなく,徹底できるようになったことを示している。
(イ)学年の実践の手だてについての話し合いはまだ十分でない。
(ウ)生徒指導委員会の年間運営計画については,役立っているという回答である。見通しを持って,資料等が準備でき,協議も能率的になったことがうかがわれる。
(エ)実践の結果についての話し合い,たしかめについては,今後更に努力していかねばならない。学年会の運営についても改善すべきことがあることを示している。

 以上,月の生活目標に対し児童,教職員がどう取り組んだかという面から,生徒指導委員会運営とのかかわりを見てきた。そして,いくつかの改善策は有効であったと考えている。
  全職員が生徒指導委員会の運営に対しての関心が高まり,生徒指導についての理解も少しずつ強くなっているところである。

5.反 省
 ・ 児童,教職員とも一つの目標に向かって実践する場合,先ず目標の具体的な理解が出発点である。そして,理解のさせ方も大切にしなければならない。できるだけ,児童自身,教職員自身がつくりあげた目標であるととらえられるようにしたいものである。

 ・ 目標の理解と実行にはギャップがある。理解ができたから,あとは実行するだろう,手だてを講じたからうまく行くだろうと手を抜かないようにすべきである。実は,実践過程でのはげましや,指導が重要であり,結果のたしかめと位置づけにも意を用いることが大切である。

 ・ 本研究は,生徒指導委員会の指導方針が,各係等を通して,全職員,児童一人一人にまで理解され,実行されることをねらって取り組んだものである。とにかく,守ればいいという考え方になり易い点を絶えず反省しなければならない。共通の目標に対する努力を通して,児童理解を深め,更には,児童のものの見方,考え方をきたえたり,伸ばしたりするのであるという視点からの取り組みでなければならないと思っている。

 ・ 教頭としては,生徒指導主事を通しての働きかけと,生徒指導委員会に出席しての指導を主にしてきたが,今後一層意図的に各係等を生かすよう配慮した。

 ・ 学年会等では生徒指導に関する話題が出るようになり,各担任の取り組み方もより積極的になってきている。また,学年の問題,指導事例等がまとめられて生徒指導委員会に提出され,協議されるようになってきている。さらに,共通理解を深め全校的な視野からの取り組みを共に考えて行きたい。
 生徒指導は,特に指導する側の姿勢が問われていることが多い。心して今後の研修にはげみたいと考えている。

6.今後の問題
(1) 学校運営機構の見直しをする。
  (生徒指導関係部門の効果的な位置づけを図る)
(2) 生徒指導に関する教職員の研修を充実する。
特に,児童理解の深め方,非行防止に対する共通理解と対策,事例研究のあり方の研修。

7.参考文献
 ・学校経営に関する研究(昭和55年度)福島県教育センター
 ・生徒指導の進め方(1969)福島県教育委員会
 ・生徒指導の手引 福島県教育委員会義務教育課編  ・月刊,生徒指導,学事出版
 ・学校運営研究 246 明治図書
 ・新生徒指導事典 第一法規
 ・現代児童生徒指導の課題と方法 金子書房


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