福島県教育センター所報ふくしま No.63(S58/1983.10) -002/042page
学習指導と教材研究
ディジタル計算機と見やすい出力
科学教育教育部 中 野 散 光
1.はじめに コンピュータ(Comp血er)は,一般に電子計算機とも呼ばれ アナログ(Analogue)計算機とディジタル(Digital)計算機との2種類に大別でき,その原理,機構,用途などが異なっている。しかし普通,単にコンピュータとか電子計算機という場合には,ディジタル計算機のことをさすと考えてよい。
従来, 英数字やカタカナに限られていたコンピュータによる情報処理は,近年,漢字処理機器の開発により“漢字”をその取り扱い対象にできるようになった。
また,コンピュータの無味乾燥な数値,もしくは活字としての出力情報にかわって,図形やグラフ表示を行うことにより,見やすく,理解しやすい情報を利用者に提供できるようになっている。
以下,見やすく.理解しやすい出力の例として,日本語処理,図形処理について述べ参考に供したい。2.ディジタル計算機と日本語処理
近年,オフィスオートメーション(OA)への関心が非常に高まっており,とくに日本語ワードプロセッサ,オフィスコンピュータ,パーソナルコンピュータなどが,OA機器として脚光をあびている。最近のOA機器の代表となっているものとしては,データ処理,文書処理,文書伝送,文書複写がとくに注目され単機能を複合させて事務機能を統合的に進める段階にきている。
一昨年,当教育センターの電子計算横システムが更新され,日本語ラインプリンタ,日本語データエントリ,日本語ディスプレイ,自動製図機なども同時に導入された。これらのシステムは,汎用コンピュータFACOM−M160Fをホストコンピュータとして,一般文書の作成・編集,管理システム,帳票や統計グラフ,図形などを処理するハードウェア,ソフトウェアも多数導入されている。
FORTRAN言語での日本語処理プログラムを例に述べると,READ文,WRITE文,DATA文,FORMAT文などの中で,英数字はもとより,漢字,ひらがな,カタカナも使用することができる。
次に日本語処理プログラムの一部例(図−1)従来のラインプリンタへの出力結果(図−2)と日本語ラインプリンタへの出力結果(図一3)を示す。
これらの出力結果を比較して見ればわかるように,帳票の作成などにおいて, 日本語処理された, ものは,非常に見やすく,理解しやすいものである。
二つの出力結果を得る処理プログラムは,同一のものであり,単にカタカナの部分を漢字に置き換えたものである。
日本語データは,日本語ディスプレイのカナ漢字変換横能や日本語データエントリによる入力と16進コードによる入力などにより作成する。
図−1FORTRAN言語成績処理プログラムの中で,日本語処理を行った部分を例に示す。