福島県教育センター所報ふくしま No.68(S59/1984.10) -037/038page
洗剤 と 洗浄力
−あぶら汚れについて−
1 ねらい
児童生徒の実験には観察の確実さを期するためにも清澄なガラス器具を使用させたい。
最も多い,手指によるあぶら汚れについて簡単な汚れ落としを調べてみた。2 実 験
試験管の外側全面に牛脂を十分に塗って検体とする。 大型試験管に入れた洗液に1晩つける。(常温) 取り出して水洗いをする。洗浄良好ならもう一度牛脂を塗り洗液につける。
これを繰り返して洗浄力が何回持続するかを調べる。→ → 3 結果
○印 洗浄良好,△ 概して良好,使用に耐える,× 洗浄不良(更に洗剤を加えるか,又はクレンザーでの手洗いを要す。)
洗浄可能回数
洗剤1 2 3 4 5 注 クロム酸混液 ○ ○ ○ ○ ○ 油汚れ以外についても洗浄力が大,
廃液の処理が困難化学用洗剤 2%溶液
(クリンエース,コンタミノンなど)○ ○ ○ ○ ○ 洗浄力大1L(リットル)2,500円位 家庭用洗剤 2%溶液
(ママレモン,ライボンなど)○ ○ ○ ○ △ 油汚れに対して洗浄力良好 〃 1%溶液 ○ ○ △ × 〃 0.5%溶液 ○ ○ × 〃 0.2%溶液 ○ × 4 まとめ
環境汚染防止のためクロム酸混液は使用できなくなったので,実験室でのガラス器具洗浄用として多数の化学洗浄剤が発売されていますが簡単な油汚れ程度なら家庭用洗剤で十分です。
なお,試験管(18×180mm)50本をひたすには29×22cmのポリ容器を使って水3L(リットル)が必要です。