福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -028/038page
生徒の体力に関する資料として活用する。
以上のねらいのもとに使用させてきたが,自分の体力等を知るうえで大変役に立っている。
(5)他領域との関連
体力つくりの意欲を高めるため,学校教育における各領域(学級指導,学級会活動,道徳,保健指導,給食指導など)とも密接に関連づけ,それぞれの立場で指導を行った他に,次の2つの領域で重点的に指導した。
1 生徒会活動 =体力つくり委員会=
ア ねらい
ア 体力つくりに生徒自ら主体的に参加する場を与え,体力つくりの意識の高揚を図る。
イ 生徒会として体力つくりを側面より協力する。
イ 活動内容
ア 広報活動
○体力つくり新聞「ジャンプアップ」発行
○「体力つくりコーナー」掲示資料作成
イ 体育的行事への自主的参加
ウ 全校活動のリーダーシップ
2 創意を生かした集会活動
創意・工夫を生かし,生徒が自主的,自発的に計画し,興味を持って喜んで参加できる創活の時間は,体力つくりをもりあげるためにも非常に効果的であり,有意義であると考えられる。そこで,この時間の主眼を体力つくりに関する集会として計画した。
○全校集会(修学旅行,遠足報告会)
○体力つくり集会(マラソン大会・綱引き大会・なわとび大会・体力つくり体験発表)
(6)家庭・地域社会との連携
生涯体育の観点から何ができるかを検討し可能なものを取り上げている。
1 生徒にできるだけ多くのスポーツを紹介してやる。
2 長期休業中の体力つくりに特に力点をおいて指導する。
3 スポーツ少年団に積極的に参加させる。
4 地域行事へ積極的に参加させる。
5 保護者への啓蒙
長期休業中の体力つくりについては,生徒会体力つくり委員会を中心に,計画表を作成し,全生徒に配って行っている。自分たちで自主的に活動する意識を高めるためにも非常に良かった。
3 研究の成果と今後の課題
(1)成果
1 最初はやろうとする意欲に欠け,見学者もみられたが,徐々に目標を持ってお互いに励ましあいながら取り組むようになった。
2 集団活動を通して規律ある行動と協調性がみられるようになった。
(2)今後の課題
1 体力つくりのマンネリ化をどう克服させるか,生徒と教師が一体になり,両者の創意と工夫により,今後の運営方法を改善する必要がある。
2 体力の個人差に応ずる指導の在り方をさらに研究し,体力つくりの生活化を図る手だてを工夫する必要がある。
3 生涯にわたって自己の体力を管理し,健康の保持・増進を図るための実践的態度の育成について,その指導の在り方を検討する必要がある。
4 おわりに
本校では,「健全なる精神で健全な身体をつくる」を合言葉に,「伸ばそう/ たくましい体と心」のスローガンを立て,体力つくりの諸活動を推進する中で,人間づくりをしてきた。研究の指定期間は終わったものの,まだまだ課題も多く,今後.校内の体制を再度検討し,更に「体力つくり」の効果を上げるべく,全職員,全生徒が一丸となって取り組む覚悟である。皆様の今後の増々のご指導,ご批判をお願いしたい。