福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -034/038page

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アイディア紹介

「電流と仕事」の指導

郡山市立郡山第七中学校教諭 小沢 正弘


 しばらくの間3年生を担当しなかったが,今年3年生を担当することになった。以前,3年生を担当したときのことをふりかえると,電磁誘導については理解が難しかった。諸テストの結果をみても,電気については弱い。(特に女子は50%台)
 本校の研究テーマ(理科)は「生徒の考えや発想を生かした観察実験のありかた」である。そこで,教師自ら創意工夫をしなくてはと思い目に見えない電気の指導にあたって,いかに指導したらよいかについて考えた。その結果,模型等を作って,具体的に指導したらよいのではないかと思い「電流と仕事」の単元の指導で使う11点の教具を作った。
 以下,そのいくつかを紹介する。

2 電流と仕事の実験.説明器具
 1 アルミパイプに電流を流して動きを調べる実験
アルミパイプに電流を流して動きを調べる実験
 右上の写真のように,大小のアルミパイプを適当な大きさに切って固定した。10台製作。生徒は興味をもって実験した。

2 コイルつくり台
コイルつくり台
 コイルをつくるのに,いろいろ参考になるものがあったが半永久的に使用できるようにと思い,3か所を木ねじでとめ1か所にナットをうめこみ,ボルトをはずしてコイルが取りはずせるようにした。

3 コイルおさえ台
コイルおさえ台
 コイルのまわりの磁界を調べる実験で,白い厚紙でやると,コイルが固定しないので,落ち看いた実験ができない。何かないかと考え,1.5mm厚さのベニヤ板を,ほどよい大きさに切り,1枚に台足をつけ,2枚合わせてその合わせめに,コイルが入るように穴をあけ,2枚の板で固定した。ここに更紙をおいて,磁針で実験するようにした。安定しているので生徒も興味をもって実験した。来年も使用できる。(10台)

4 鉄粉による導線の磁界投影装置
鉄粉による導線の磁界投影装置
 導線はエナメル線を30本たばねて各導線に同時に電流が流れるように(両端のエナメルをはがし,ハンダ付けして)長さ30cm位にして.OHPに入るように調節し,台は透明アクリル板に取付けた。アクリル板は4隅を曲げ台足をつくった。3の実験で,大体のようすはわかったが,全員がはっきり視覚を通して理解できるように工夫した。3V,10Aで鉄粉をまき説明した。

5 コイルの磁界投影装置
コイルの磁界投影装置

鉄粉をまき視覚を通して磁界のようすをわからせる
 磁針のようすから大体の磁界のようすはわかったが,全員が視覚を通して磁界のようすをわからせるにはどうしたらよいかを考え直径1mmのエナメル線を20回まき,写真のように透明アクリル板に取り付けた4のように4隅

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