福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -037/038page

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布地の保温性を調べる実験方法


  目的
 被服の重要な目的の一つは,体温を保つことであり,保温性はこの体温保持の材料性能である。布地の保温率を測定し,どのような布地が保温性に富むか調べる簡単な方法を紹介する。

1 簡易型試験器による方法
布地保温性試験器
布地保温性試験器

布地保温性試験器の構造
布地保温性試験器の構造

 用具 布地保温性試験器,ストップウォッチ,ものさし,裁ちばさみ,両面接着テープ,メスシリンダー

 方法
(1)測定前の準備
 1 円筒の湯槽の中に800ccの水を入れ,スイッチを入れる。
 2 湯槽内の温度Tlの上昇に注意しながら,約80℃前後を20分以上保持するように攪拌しつつ,スイッチをON,OFFし,熱的平衡状態にする。
(2)ブランクテスト‥…・裸状時のテスト
 1 約80℃で10分位放置した後,温度が81〜82℃のときスイッチを切る。
 2 温度下降により,80℃になったとき,ストップウォッチで時間測定を始める。同時に,環境温度測定の温度計T2で室温を測定する。
 3 ストップウォッチは止めずに,温度1℃下降ごとの時間を測定する。80℃より70℃まで記録をとる。
(3)試料取り付け時テスト
 1 試験布を図のように切り,両面接着テープをはりつけ,試験布を円筒にまきつけ,固定する。
試料取り付け時テスト
 2 ブランクテストと同様に測定を行う。
(4)保温率の算出
  保温率=b-a/b×100(%)

温度下降時間
  a:ブランク時(秒)
  b:試料取付時(秒)

2 清酒用容器による方法
 容器のまわりに布を張り,湯を入れ温度が降下する状態を測定する。
清酒用容器による方法

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