福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -012/038page

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43%となっている。
 次に,「授業をわかりやすく工夫するなどして学習意欲を高めていけば,授業妨害等は減少するか」という設問に対しては,減少すると回答したのが校長55%,生徒指導主事49%,学級担任37%となっており,授業の充実を図ることにより,かなりの授業妨害者等をなくすことができるのではないかと推測される。

5.学校教育相談についての意識

 図 4は,学校における教育相談について,図のア(丸囲み文字)〜コ(丸囲み文字)の各項目ごとに,「そう思う,少し思う,思わない」について教師の意見を求めたものであり,その中で「そう思う,少し思う」を合わせた結果を図示したものである。
        学校における教育相談について
        図 4 校種別     調査59年9月
図 4 校種別 学校における教育相談について

 教育相談についての全般的なことをみてみるとア(丸囲み文字)積極的な取り組みが必要,イ(丸囲み文字)学校教育の中で教育相談的配慮が必要と意識している。そして,これがオ(丸囲み文字)問題行動の早期発見や予防に役立ち,しかも,キ(丸囲み文字)教師と児童生徒との温かい人間関係を深めるという考えや,ク(丸囲み文字)教育相談が児童生徒の自己理解を促進させるというように教育相談について肯定的な見方をしていることがわかる。
 また,ウ(丸囲み文字)学校カウンセラーの配置の必要を意識しているのが中・高とも50%以上あることも注目に値する。全般的に見て中学校の所で山型を示し,生徒指導の課題の多いことを示しているように思われる。

6.生徒指導における教員相互の食い違い

        図 5 教職員相互の食い違い(校種別)
                調査59年9月
図 5 教職員相互の食い違い(校種別)

 図 5は,生徒指導を進める際に食い違いが生じる内容を校種ごとに表したものである。まず,割合いの高いのがオ(丸囲み文字)教員相互の共通理解や協力,カ(丸囲み文字)校内の秩序維持や規則についての指導であり,生徒指導の共通理解や共通実践ということが叫ばれていても,実際には教員相互の指導の足並みがそろっていないことを示している。
 また,高等学校においてア(丸囲み文字)基本的な考え方に食い違いを生じていることも目につく。
 一方,教育相談の考え方や技術に食い違いの少ないことは,4で述べたように教育相談の重要性を真剣に考えている表れであろう。

7.おわりに

 これまで,全国的な調査を基にして述べてきたが,これが必ずしも本県の実態と直接結びつくものではない。なお,本県における問題行動の予想や授業中の問題行動については所報70,71号を参照いただきたい。
 今後の生徒指導推進のためには,各学校の現状と全国的な傾向を参考にするなどして,原点に返えった生徒指導の見直しが大切であると考えられる。


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