福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -011/038page

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        授業中の児童生徒の主な問題行動
        図 2 校種別      調査 59年9月
図 2 校種別 授業中の児童生徒の主な問題行動

 ケ(丸囲み文字)私語やおしゃべりをする,コ(丸囲み文字)気力がなくぼんやりしているの2項目がどの校種ともずばぬけて高い。次に,キ(丸囲み文字)学習用貝を持ってこないが各校種とも50%を越えていることや,ウ(丸囲み文字)教師の説明や級友の発言をひやかすが中学校で52%,ク(丸囲み文字)身体の異常を訴え保健室に行きたがる児童生徒が小,中,高と順次増加していることも注目に値する。
 なお,イ(丸囲み文字),カ(丸囲み文字)のように物を投げたり,教室を抜け出す生徒が中.高とも10%を越えていることは指導上十分配慮していかなければならない。
 いずれにしても,全体的に授業への集中度の希薄さを顕著にうかがうことができる。

4.授業妨害や拒否したりする児童生徒の実態と教師の授業への困難感

 調査において,授業妨害や拒否の実態を見ると各校種とも,授業妨害や拒否は「全くない」という回答が過半数を占めている。
 しかし,中・高校では5%ぐらいいると回答した教師が40%近くおり,小学校でさえも20%近くも見られ,すでにその兆候が小学校段階において現れていることに注目したい。
 次に図 3において,授業妨害等と教師の授業展開に際しての困難感を見てみたい。

        図 3 授業の展開に際しての困難感
              調査 59年9月
図 3 授業の展開に際しての困難感

 図 3でも明らかなように,かなりの割合で授業妨害の度合いと授業の困難感との相関がみられる。
 例えば,高校においては授業妨害者がクラスの20%を越えると授業展開に困難をしばしば感じると回答したのが50%となっており,これと同様に小学校では36.4%,中学校では32%となっている。
 また,授業妨害等が全くないという学校でも,例えば,小学校で10%以上が授業展開に困難感を感じていることにも目を向けたい。
 では,このような授業妨害者の出現理由についての質問として,授業妨害者のでるのは「授業担当者に大半の責任がある」という意見をどう思うかについて校長等に意見を求めたところ,例えば中学校の場合,授業担当者の責任であると回答したのが,校長47%,生徒指導主事46%,学級担任


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