福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -018/038page
表 3は,検定の結果である。x 2 (0.05)=3.84 (表 3)
項目 結 果 1 0.05 仮説は 採択される−変化が 認められない 2 3.90 仮説は 棄却される− 認められる 3 7.53 仮説は 棄却される− 認められる 4 5.76 仮説は 棄却される− 認められる 5 0.04 仮説は 採択される− 認められない 6 8.00 仮説は 棄却される− 認められる 7 4.50 仮説は 棄却される− 認められる 8 9.00 仮説は 棄却される− 認められる
- イ.プラスの変化とマイナスの変化
- (ア)事前と比較して
表 3の8項目の調査結果では,変化が認められたのが8項目中6項目(2,3,4,6,78)で,変化が認められなかったのが8項目中2項目(1と5)であった。
- 事後に良くなった場合を …… プラスとして集計する。
- 変化がなかった場合を …… 事前と同じとして集計する。
- 事後に悪くなった場合を …… マイナスとして集計する。
表4は,その結果である。
(表 4)
項目 変 化 全 体 抽出 1 +2の変化 2(人) 2(%) (人) +1の変化 13 16 3 事前と同じ 54 66 6 −1の変化 12 15 1 −2の変化 1 1
項目 変 化 全 体 抽出 5 +2の変化 1(人) 1(%) (人) +1の変化 17 21 3 事前と同じ 45 55 5 −1の変化 17 21 2 −2の変化 2 2
2 +2の変化 3 4 +1の変化 24 29 4 事前と同じ 41 50 5 −1の変化 10 12 1 −2の変化 4 5
6 +2の変化 6 7 +1の変化 27 33 6 事後と同じ 36 44 4 −1の変化 11 13 −2の変化 2 2
4 +2の変化 +1の変化 11 13 1 事前と変化 48 59 7 −1の変化 23 28 2 −2の変化
8 +2の変化 7 9 3 +1の変化 29 36 6 事前と同じ 30 37 −1の変化 15 18 1 −2の変化 1 1
まとめてみると,研究の実践後に,良い方向に変化した生徒がふえたので,統計的な変化は認められたと言えよう。
ただ,例えば,項目 2の「授業中指名してもらえますか」という調査を例にとって説明すると,「指名してもらえます」から「あまり指名してもらえません」という変化や,反対に「あまり指名してもらえません」から「ときどき指名してもらえます」への変化はとらえることができても「ときどき指名してもらえます」から「よく指名してもらえます」という生徒の変化や「ほとんど指名してもらえません」から「あまり指名してもらえません」という生徒の変化をとらえることはできない。そこで生徒たちがわずかながら,どう変化しているかを把握するために,表 4を作成して,どのくらいプラスにまた,どのくらいマイナスに変化したかを調べた。
その結果,事前と事後を比較して,変化があまりないのが,生徒全体で2項目,抽出生徒で1項目,事前より事後でマイナスの変化を示したのが生徒全体で1項目,抽出生徒で1項目,また事前より事後でプラスの変化を示したのが生徒全体で5項目,抽出生徒で6項目あった。生徒全体の場合も,抽出生徒の場合も,事前と比較して事後は,プラスの変化が多くなっている。
表 5は,これをまとめたものである。
(表 5)
事前と事後の比較 全 体 抽 出 プラスの変化を示した 2 3 6 7 8 1 2 3 6 7 8 変化が,あまり見られない 1 5 5 マイナスの変化を示した 4 4
- 事前と事後の観察記録から
各学級で,見とおしに基づく指導援助を実施してきたが,その期間中,生徒の諸行動を継続して教師が観察し記録したものと,生徒が自己評価したものの両方を表6にまとめ,それをもとに集計したのが表 7である。
(表 6)
(表 7)
観察項目 生 活 記 録 係 活 動 対 話 − 事前 + − 事前 + − 事前 + 生徒 全 体(%) 26 38 36 23 55 22 19 40 41 抽 出(人) 2 5 3 3 5 2 1 4 5 教師(%) 21 31 48 19 59 22 14 42 44