福島県教育センター所報ふくしま No.75(S61/1986.2) -037/038page

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まさ目板のかんなけずり

(資料提供 福大 小沢勝治助教授)


 板目板のかんなけずりについては教科書にも示されているが,まさ目板の順目切削については示されていない。しかし実際にまさ目板をかんなけずりすると,図1にみられるように順目(a方向)と逆目(b方向)が生ずる。これは,まさ目板での順目切削方向が,旋回木理(構成繊維が,幹軸に対して斜めに配列する木理)と関係するためである。
 カラマツやアカマツ等は,繊維がS方向に配列しているため,まさ目面のかんなけずりは,元を手前にして木表側からみて右側の板面<図2>は木の末から元の方向が順目となり,左側面では元から末が順目方向の切削となる。これに対してスギやネズコはZ方向の旋回木理を示すため,順目切削方向はちょうど逆方向になる。

く図1 まさ目板の順目,逆目> く図2 カラマツの木理と切削方向>
く図1 まさ目板の順目,逆目> く図2 カラマツの木理と切削方向>


 またラワン材にみられる交錯木理は,旋回木理の一種で図3・4に示すように繊維の配列方向がS方向のところとZ方向のところが,まさ目面に層状に現れ,そのため順目切削方向が部分によって異なり,いずれの方向から削っても,逆目が帯状にでることになる。
 このような材のかんな削りにあたっては,二枚刃かんなを用い,裏金をよく調整してかんなけずりすることが肝要である。

<図3 ラワン材> <図4 ラワンの木理方向>
<図3 ラワン材> <図4 ラワンの木理方向>

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