福島県教育センター所報ふくしま No.78(S61/1986.10) -016/038page

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研究プロジェクト状況報告

学校の教育目標と教育課程に関する研究


−学校経営改善に関する研究−

学 校 経 営 部



1 はじめに
 本研究は,「学校経営改善に関する研究」の一環として,既にまとめた「学校経営評価に関する研究」(研究紀要第1号・第36号),「教育課程の経営に関する研究」(研究紀要第45号,第50号,第55号)の研究を引き継ぐものである。
 この二つの研究は,昭和53年度からの3カ年と昭和56年度からの3カ年をそれぞれ一区切りとして集大成し,報告したところであるが,学校経営及びその中核としての教育課程について,マネージメント・サイクルの考え方や経営的な発想に基づき,そのあり方を探るために理論研究を行うとともに,県内小・中学校における実態を追究したものであった。
 これらの本センターの研究を基に,近年,学校経営の質的改善の一つとして強調されている「学校の教育目標(以下,“教育目標”と略記)を達成するための主体的な学校経営の確立,自発的・創造的な教育活動の展開」について研究しようとしたものである。

2 研究の経過
(1)昭和59年度(第1年次)
 われわれの研究課題が,教育現場からの要望と合致して受け入れられ,また,昭和59年度から3カ年をかけて新たに取り組む研究となり得るものであるかどうかを確めるために,まず訪問による予備調査を行った。
 更に,本県における教育目標と教育課程にかかわる問題点を明らかにし,次年度以降の研究への基礎固めのための調査(学校教育目標と教育課程に関する調査)を実施した。この結果については研究紀要第59号で発表したところであるが,主なものをまとめると次のとおりである。
○ 教育目標は必要なものであると考えられているが,学校における全教育活動の指針であり,学校経営の根幹をなすものであるという意識はあまりない。
○ 自校の教育目標は,学校の実態に即しているとは言えないという考え方が多いが,実態とし何を把握するのか.そのための適切な方法について検討しなければならないという意欲はあまり見られない。
○ 教育課程の編成に当たり,教育目標の学年・学級目標への貝体化については,かなり関連が図られているようである。また,道徳,特別活動の場合も関連を図ろうとする努力が見られるが,各教科の目標と教育目標との関連については,不十分さが目立っている。
○ 教育目標の達成評価については,学校で定めた方法によって評価している学校が多いが,評価の結果を次年度の教育目標の設定とその具現化にどう生かすかの検討は十分とはいえない。
(2)昭和60年度(第2年次)
 59年度の調査結果に検討を加え,教育目標の具現化のあり方を追及するとともに,県内小学校より研究協力校を抽出し,研究協力校とともに教育目標具現化の実践的研究にあたり,その実践例を収集し検討を加えた。
(3)昭和61年度(第3年次)
 60年度と同じように,県内中学校より研究協力校を抽出し.実践的研究に当たりその実践例を収

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