福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -022/038page

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 どこで何をしたらよいかに示唆を与えてくれたのが,この調査−3である。話し合いがしやすいのは「教科部会」であることがわかる。
 3 職員の意識調査のまとめ
   ア 本校職員は研修意欲が低いのではなく授業研究を中心とする研修の機会が少なかったために,意欲が低下していることがわかる。
   イ みんなの心の中には「みんなと一緒に向上したい」という,校内研修の基盤ともいえる願望があることがわかる。
   ウ これらの意欲をさらに伸ばし,充足感を与えるには,校内研修係としてのあり方が極めて大切であることがわかる。
 4 研究主題との開連
「校内研修充実のための改善への試み」を研究主題として設定したことは時宜を得たものといえよう。なぜなら,今までの調査でも明らかなように,校内研修を阻んでいるのが,最も根元的な「やる気のなさ」ではなく,係を中心とした校内体制の整備や努力であり,かなり高めることが可能であることが判明したからである。そのために,次に掲げることを一つ一つ工夫し実残して行くことがたいせつになる。
  ア 週時程に位置づけられている教科部会が,実際に機能できるように各教科主任との連携を密にするとともに,教頭とも連賂をとって学校運営計画に教科部会の時間を明示し,当日には職員室黒板にも明示する。
  イ 授業研究の計画をさらに具体化し,月日・時間・学級を明らかにして,学校運営計画に明示できるようにする。また,アと同様に,当日の職員室黒板への明示も合せて行うように,教頭と連携して進める。
  ウ 授業研究の記録用紙を工夫して,事前・当日・事後の教科部会で記録がとれるようにし,記録が累積されるように工夫する。また,このことによって教科部会が充実したものになるように図る。
 5 授業研究計画 
研究協議会
研究のステップ
授業計画 教科部会
9 ○研究推進計画の検討・改善・確立 各教科部会内授業研究
上旬(国)山寺精吉
中旬(理)斎藤金夫
下旬(英)佐々木一夫(国)三津間紀子
○教科部会
 全教科
10 ○研究推進状況の報告・問題点の検討・協議 上旬(国)吉田孝男(英)高橋秀夫(数)石田正男
  (理)黒沢郷美(音)花輪智子
中旬(家)三浦智子
下旬(英)服部惇子(社)高橋正人
○教科部会
国・社・数・理・美・家・英
11 ○第2回生徒実態調査の実施とその結果のまとめ・分析・考察 上旬(社)三浦 浩(理)山田恒人(体)小林智志
中旬(国)西坂 修(体)遠藤美代子(社)高野 信  (体)星 正子(数)高橋敏子(英)高野せつ子  (体)小池文夫(指)小林智志
下旬(社)高橋勇雄(数)尾形昭夫
○教科部会
 国・社・数・理・体・英
12 ○本年度研究のまとめ 上旬(国)沢田昭子(体)小林智志(数)佐藤武夫 ○教科部会
 国・数・体
1 ○市研究報告会への参加    
2 ○第三次研修会    
3 ○次年度研究計画検討    


  (2)学校運営計画との関連を図る工夫
 学校運営計画は,学校における教育活動のレールである。毎月の計画は前月の終りごろに行われる校務運営委員会で検討され,職員会に提示される。これによって週ごとの活動や毎日の活動が具体化される大切なものである。したがって,ここに計画が位置づけられているかどうかによって,職員の反応は微妙に変化することは.以前生徒会指導係をしていたころの体験でわかる。そこで,教科部会の計画と授業研究の計画が,学校運営計画に掲載されるように,教頭にお願いし実現した。(次ページ参照)この工夫による効果は大きく,各教科主任からも好感を持って受け入れられた。それは,本校の場合,教科主任は各教科内での互選によっているので,若い教師も多かったからである。
 また,前の調査にもあったように「話しやすいのは教科部会である」ということも,教科部会が開かれて始めてその場が得られるものである。人は集まって話し合うことによって,活動への意欲づけが行われることが多いことを考えると,ほんのささいなこのような工夫も,学校運営においては重要な意味をもつことがわかった。
 このことが実践できたのは,各教科主任にお願

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