福島県教育センター所報ふくしま No.80(S62/1987.2) -016/038page

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研修者の感想

情報処理教育講座(BASIC 1)に参加して

福島県立福島農蚕高等学校教諭  加藤 千恵



 私は,かねてから,家庭科学習を通した情報処理教育について興味を持ち続けていたおり.センターからの案内を見て,意欲に燃えているうちにと思い即応募しましたところ,希望者の多い中,この研修に参加する機会を得ることができました。さらに,センターのコンピュータは,本校と同じ機種(FM16β,CP/M−86)で今年導入したばかりのフレッシュな装置ということで,意欲的に研修に臨むことができました。
 講座の研修受講者の顔ぶれは,女性3名(内2名実習助手)を含み,普通科・職業学科・教諭・実習助手と様々な上,年令層も広く,バラエティに富んだ構成でした。私自身,農業高校の家庭科担当教師という異色の存在でもありました。

 講座の中では,まず情報処理棟内にある施設・設備を見学させていただきました。私は,自動製図機の描く速さに驚き,NC工作機械,大型コンピュータと見学するにつれて,その素晴らしさに驚くばかりでした。また,研修内容は,講義・演習という形の繰り返しで進められ,演習は1人1台のパソコンで行われました。はじめ,少々不安はありましたが,終始,優しく熱心に御指導をいただいたお陰で,不明な点は納得のいくまで取り組むことができました。
 さて,研修の具体的な内容は コンピュータの歴史,構造、動作原理の概要に始まり,コンピュータの装置(入力装置・パソコン本体・出力装置・記憶装置),コマンドのそれぞれの意味の学習などで,それが終ると,さっそくプログラムの実習です。受講にあたり,仲間からすすめられた予備知識が勇気づけとなり楽しく出発することができました。四則演算,最高点,最低点の求め方,配列では,一次元配列(数字の並べ変え)や,二次元配列(成績一覧表のレイアウト)について実際に演習問題を通してコマンドやフローチャートの書き方とその考え方を学びました。プログラミングでは,(1)直線型,(2)繰り返し型,(3)分岐型を習いました。プログラムを考える時は,まず流れ図を書いてみる,しかも小さいスケールで考え,それがプログラムとして正しければ,それを拡大すれば良いのです。
 私は今回の目標であった成績一覧表のプログラムが最終日に完成しました。意欲だけに燃え,コンピュータをワープロ機能でしか操作したことのない私の未熟な能力が,この完成の喜びを通して,私に,いろいろな面での挑戦的意欲を持たせてくれました。

 今回の講座を振り返ってみて良かったと思うことは,研修生活の中で他の多くの先生方に接することができたということです。先生方の熱心な取り組み,各自のコンピュータ指導の取り入れ方,生徒達への還元への意欲などなど熱気そのものでした。研修期間中は,私にとって,生活時間帯となっている朝食後開講までの貴重な時間をパソコンに打ち込み,また,夕食後就寝までは,予習・復習に徹するというハードな毎日でした。でも,そんな中にも同室の先生方と女性として,家庭人として,職業婦人として楽しく語り合った温かく,楽しいひとときがありました。それも含めてすべてが,私にとって有意義な研修でした。

 講座が終了した後,校内での期末テスト成績処理が待っていました。
 生徒への還元として栄養計算にチャレンジしようと思います。更に,コンピュータという1台の機械を仲介にして,職場の方々と人間的ふれあいを増すこともできました。

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