福島県教育センター所報ふくしま No.86(S63/1988.6) -016/038page
人は誰でも「三つの私」を持っている。
左の絵は,ガラスを割った子供に対する言い方の例です。これらの言葉は,子供の過ちを厳しく叱るものだったり,子供の過ちの原因を知ろうとするものだったりして,一つ一つに大きな違いがあることが分かります。私たちは,これらの言葉を時と場合に応じて,または相手によって,使い分けているのではないでしょうか。
交流分析では,人間というものは誰でも 「三つの私」 を持っていると考えます。この三つの私とは, 「親の私」「大人の私」「子供の私」 でありそれらを「自我状態」と呼んでいます。次にどんなものかを具体的に説明していきましょう。
私達は何かの場面に出会うと,これら三つの私(P=親の私,A=大人の私,C=子供の私)のうちのいずれかで反応し,言葉を発すると考えられています。上の例で説明しますと,ア(丸囲み)の言葉は親の私のうちのCPによる反応,以下,イ(丸囲み)はNP,ウ(丸囲み)はA,エ(丸囲み)はFC,オ(丸囲み)はACによる反応ということになります。あなたがふきだしに書いた言葉は,いずれの自我状態による反応でしたか。