福島県教育センター所報ふくしま No.86(S63/1988.6) -015/038page
−教育相談−
紙上カウンセラー講座
教育相談へのいざない(11)
− 交流分析(1) −
教育相談部 斉 藤 健 一 小 林 淑 人
教育相談の理論や技術について,広く現場の先生方に知って頂きたく連載してまいりました「紙上学校カウンセラー講座」が3年目を迎えました。本年度も,次のようなテーマで,さらに内容を充実させて掲載していきたいと思いますので,引き続きご愛読ください。
第86号 交流分析(1) 第87号 交流分析(2) 第88号 グループ・エンカウンター 第89号 家族カウンセリング 第90号 児童思春期の精神医学 ?あなたなら こんなとき?
子供が休み時間に教室のガラスを割ってしまいました。こんな時あなただったら何と言いますか ふきだしに言葉を入れてください。
私たちが普段なにげなく交わしている会話や態度をふりかえり,自分の対人関係における特徴に気づくこと,それがこれからお話する交流分析の第一歩です。
交流分析ってなんだろう?
米国の精神科医エリック・バーンという人が考え出した心理療法の一つで,そのねらいは
自己への気づきを深めること 自律的な生き方をすること よりよい人間関係をつくることに
にあります。
交流分析ではどんなことをするのだろう。
1 人とのかかわりで,あなたがどんな対応をしやすいかを知ること(構造分析) 2 人と人とのいろいろな交流のかたちについて知ること(やりとり分析) 3 いつのまにかいやな気持ちになってしまう交流について知ること(ゲーム分析) 4 現在の自分が行っていることのルーツをたどり,知ること(脚本分析) 今回は1の構造分析を中心に話を進めることにします。