福島県教育センター所報ふくしま No.86(S63/1988.6) -035/038page
中期(9月)の研修は,研究計画を立て,事前テスト,事後・把持テスト,検証授業の実施とそれらの結果の考察にいたるまでの検証計画の立案が中心でした。瀬上小学校での瀬川光雄先生の生徒と先生が一体となった活気に満ちた国語の授業を参観しての検証授業と仮説との関連,資料の収集,観察の方法,授業の結果の処理についての演習を通してその手法を理解し,教科の担当者との細かな検証計画についての指導,助言を中核として進められました。
後期(1月)は,小中と高校に別れて,これまで継続研究してきた成果を問う研究報告会が行われました。講師に義務教育課の斎藤正寛先生をお迎えして,10分の持ち時間を各種補助資料のみならず,大道具,小道具まで用意される先生もおられて,熱気と活気にあふれた発表で,聞く方の先生方の態度も実に真剣そのもので,やはり時間を充分にかけ,アイディアをこらし,すぐれた先進の教育技術が駆使された血と汗のにじむ労作と,発表に先立って数回のリハーサルが行なわれていたこともあり,わかりやすく,内容豊かな発表で,聞き応えがあり,アピールする部分が多く,一途な教育への情熱に感銘を受けたり,強く刺激を受けることが少なくありませんでした。
3.おわりに
講座担当の吉田先生,そして英語担当の菅野・掘川先生には,適切な助言・指針のみならず,相談的な態度で,やさしく教え導かれるひたむきな姿勢に身の引きしまる思いで,怠けがちな心に活力を与えられ,新たな意欲を駆り立てられたように感じています。
よりわかりやすく,よりよいものを与えようと研究・開発につとめ,子の健やかな心身の成長に生かそうとする教育者としての理想的とも思える価値観と良心を感じ取ることができました。
研修で得た成果を,これからの日々の実践に生かし、生徒を掛け替えのない人間として,大切に,やさしく教え導き,そして意欲を育むことを通して,主体性・自己決定力を培える人間性豊かな教師になろうと考えております。
編集後記
・ 青葉若葉に光る雨滴が心に浸る季節です。新緑の中,運動会等好調に本年度の学校経営がスタートされたことと思います。
・ 「所報ふくしま」,昭和63年度,No.86をお届けいたします。本年度は.昨年度の各校からのご意見ど要望を取り入れ,次のように改善・充実を図りました。
(1) 特別寄稿を年1回から全号に拡大し, 著名な教育学者の方からの論説文等を掲載することにしました。 (2) 学校現場の授業との結びつけを考え, 所見個人研究の発表人数を増やし.教科を全領域 に広めました。(3) 小・中・高校のバランスをとり, 教育現地のすぐれた実践を多く載せる よう配慮しました。(4) 高等学校の先生方にもご活用いただくため, 高等学校関係の執筆原稿を増やし ました。なお,次ページに.「教育センター所報ふくしま年間編集・発行計画一覧」があります。ご覧ください。……とにかく,「所報ふくしま」は,教育センターとしての研究広報誌ですが,「 親しみやすく,しかも日々の教育実践に役立つもの 」を配慮し,学校と教育センターのパイプ役になるものにと考えておりますので,今後ともご意見ご指導を願います。
・ 今回(86号)の特別寄稿は,「国際化と学校教育」について,郡山女子大学短期大学部名誉教授長谷川壽郎先生よりいただきました。現在,21世紀を展望しての教育課題として私たちが共通理解をしていなければならないこのことについて,明解に論述されています。熟読ください。次回(87号)では,教育調査研究所長 新谷政一先生から「自己教育力を育てる学校経営」についての玉稿をいただくことになっています。ご期待ください。教育現場からは,「講座受講感想」を新地町立尚英中 加藤潤一先生から,「特色ある学習環境」として二本松市立二本松北小学校を紹介いたしました。ありがとうどざいました。
( 編集子 )