福島県教育センター所報ふくしま No.86(S63/1988.6) -034/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 また,この教育工学講座は,小学校が一次(教職10年未満の先生),共通(教職経験年数制限なし)の2講座。中学校も一次・共通の2講座,高等学校は共通のみ1講座,計5講座を実施しています。以下,各小・中・高等学校の主な講座内容を紹介してみます。

 <小学校教育工学着座>

♦ 教育工学を基本とした個別化教育から自己教育力育成への授業改造(国立教育研究所 芦葉浪久氏),♦ 学校におけるこれからの教育機器の利用(福島大学教授 河野義孝氏),♦ コンピュータによるS−P表の作成と授業分析,♦ 学習目標達成のための教育機器の活用(VTR等),♦ 0HPの機能とTP製作 等。

 <中学校教育工学講座>

♦ 主体的に変化に対応できる人間をめざした教育工学的手法による授業改造(才能開発教育研究財団研究部長 古藤泰弘氏),♦ 学習目標達成のためのVTRの活用,♦ 個を理解し,生かすための学校におけるコンピューターの利用,♦ 学校におけるこれからの教育機器の利用,♦ OHPの機能とTP製作 等。

 <高等学校教育工学講座>

♦ 自己教育力と視聴覚教育(国立教育研究所 芦葉浪久氏),♦ 学習目標達成のためのVTRの活用,♦ 学習目標達成のためのVTR教材製作,♦ コンピューターによる成績処理,♦ 学校におけるこれからの教育機器の利用,等。

 なお,当部各講座の研修期間は次のとおりです。

・学校経営 (A)講座(前期6月6日〜9日,中期9月5日〜7日,後期1月19日〜21日)。

・学校経営(B)講座(前期6月20〜23日,中期10月3日〜5日,後期2月1日〜3日)

・教育研究法講座(前期6月13日〜16日,中期9月19日〜21日,後期2月6日〜8日)。

・小学校教育工学講座(9月19日〜21日,8月29日〜31日)。

・中学校教育工学講座(11月28日〜30日,6月13日〜15日)。

・高等学校教育工学講座(10月27目〜29日)。


研修者の感想

数育研究法講座を受講して

相馬郡新地町立尚英中学校 教諭
 加 藤 潤 −

1.はじめに

 等しく活動の機会を与え,参加の喜びを味わわせ,個人差が開かないように,そして1人ひとりを理解するために,個人指名を多くし,課題意識と意欲の向上を心掛けている。しかし,どの学級にも,指名されても迷惑そうな子,全く無関心な子,繰り返し練習にも仕方なさそうに声を出す子を見るにつけ,興味・関心の維持・向上への効果的な手立てが構じられない自分の未熟さを痛感し,指導理念と生徒の主体的要求のギャップを埋めるにはどうすればよいか。生徒のもがき,つまづき,わからなさを洞察し,指導の中で主体的要求を引き出し,意欲を育むにはどうすればよいか,を解決を迫られた問題として自己研修してきた。幸いタイムリーに受講の機会を与えていただいたので,生徒と共に学び,生徒の変容と成長に係ってゆこうという決意で研修に臨みました。

2.講座の内容

 センターより送付された事前研究の資料を参考に問題点を導き出し,生徒側と教師側に立って原因を探り,解決への方策となる仮説を設定し,研究主題を設けて6月の前期研修に臨みました。

 前期研修の課題は,主題と仮説を決定することにあったが,35名の研修生の殆んどが,問題点の把握が甘く,主題の焦点化が図られておらず,より具体的でなければいけないという理由で,再検討を余儀なくされ,どの部屋も夜食を準備し,2日目の夜は朝の2時ごろまで起きて取り組み,頭を悩ますという状態であり,センターでの研修の数十倍の時間を日常の実践研究に費す必要性を痛感し,約7ケ月の長期の教育研究に対し不安さえも感じるようになりました。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。