福島県教育センター所報ふくしま No.90(H01/1989.2) -030/038page
研修者の感想
<学校経営A講座受講感想>
−暇な時ほど,ろくな仕事はできない−
現郡山市立鬼生田小学校 校長 上 野 昭 夫
「暇な時ほど,ろくな仕事はできない。」とよく言われる。「本当にそうだな」と強く感じた。
自校の研究公開のこと,市教頭会の事務局の仕事,海外研修についての10年に1回の事務局,そこに今回の学校経営A講座の受講と重なる時には重なるものです。だからこそ又充実した日々を過ごせたのかもしれない。
5月,事前研究の資料がセンターより送付されてきた。しかも,必要な方は前もって相談に応じます。電話番号,担当者名まで書き添えられていた。これ程,親切に対応してくださるセンターのご配慮を無に,雑務が多過ぎての一言で,事前資料を十分に理解もせず「校内研修」に領域をしげり主題名の報告にしてしまった。
9月の県小教研図工科研究大会の公開を控え,公開までの効率的な運営をはかるためにも,自らの課題と結びつけた実践研究ができればと考えたからであった。
しかし,本気になって取り組み始めたのが前期の講座が開始される一遇間前,自分としては,十分に検討し作成したつもりの「研究計画書」を手に心はずませ出席したのでしたが‥‥‥。
担当の先生と「研究計画」についての話し合い。自分が説明しているのに,ご指摘を受けるまでもなく,これから進めようとしている研究の「ねらい」は,研究の筋道は,「研究構想」の甘さ,ずさんさに気づくばかりでした。
研究範囲が広すぎること,研究主題の焦点が明確でないこと,改善の方策の中味が欲ばり過ぎ,あれもこれもという具合で一貫性に欠け,焦点化がはかられていなかった。等々
二日日の協議,演習「研究計画の樹立(1)」を終え,一息入れる間もなく,再検討する課題を抱えて宿泊棟の集会室へ。
朝の2時頃まで頑張っていた受講生もいた。
自校の前年度の反省を自分の研究の問鹿点に短絡的におきかえたこと,的をしばった予備調査を実施し,問題点を明確にとらえなかった甘さが,「研究構想」の第一のつまづきであった。
第二の反省点としては,研究の見通しである。何を改善しようとするのか,何をがしぼりきれずに,ここでも一般的なおさえ方になってしまった。同時に,学校経営という全体的な見方ができず,「教師の指導を通して児童の変容を期待するこの研究の趣旨」を生かし研究手順にどのように位置づければよいのか,とまどってしまった。
ともあれ,担当先生の直接指導を受け,「研究構想」がまとまり,先の見通しが一応ついた時の喜びは今でも忘れられない。
自校に戻り,職員の協力を得ながら研究公開にむけての準備と並行して,自分の課題解決にむけて努力した。
二年間の図工科の実践研究,全職員が一丸となり各自がそれぞれの立場において役割分担を果し,一つの課題解決にむけて精一杯努力した。その充足感が職員の間に感じとれたことがうれしかった。
後期での研究報告会,10分間での発表,自分で言わんとしたことがどれだけ発表できたか。10分間で発表できないということは,15分,20分かけてもできない……。身につまされる思いであった。
後期の三日目,なんとさわやかな,晴々しい受講者の顔々……。
この講座中,センターの先生方,講師の先生方の貴重な講義を拝聴できたこと,部屋でお互の現場の悩みについて話し合ったこと等々,今でも,なつかしく思い出されます。このような機会に恵まれた幸せに,ただただ感謝するのみです。
センターの先生方には,この講座全般にわたって,親身になってのご指導をいただき気持ちよく受講できたこと感謝申し上げます。
講義の一説に「自分がまず研究して確信を得よ」今後も研修は続きます。この講座で得たものを心の糧として更に努力していく覚悟の昨今です。