福島県教育センター所報ふくしま No.90(H01/1989.2) -029/038page
(3) 工夫,配慮した点
1 絵ピース
ア 絵の内容 児童の実態を考慮し,児童が意味を理解しているもの。2つ以上の答えが返ってきにくいものを内容,デザインとして選んだ。
2 文字ピース
ア 文字ピースのくり抜き形
文字ピースの形をすべて違う形に切り抜くことにより,児童に選択させたい文字ピース以外は型にはまらないようにした。これによって,児童は自分の選んだ文字が正しいものであったかどうかを自分で確認することができる。
イ 字体
児童の実態からハネやトメ,ハライを省略した簡単な字体を使用した。
3 外枠
文字数別の外枠を使用することにより,各ピースがばらばらにならずに使用できる。
さらに,外枠の向きにより,たて書き,横書きどちらの単語にも対応できる。
(4) 使用法
1 木枠にはめ込まれた絵ピースに合う文字を選び出させる。
2 提示された実物と合う文字を選び出させる。
3 提示された文字と合う絵を選び出させる。
4 上記の使用法を基本とし,ゲーム化して行わせる。
ア 文字はめ競争
イ 絵あてゲーム
文字を見て,裏返しになっている絵のあてっこをする。
おわりに
本教具を使用して実践してきた結果,次のような効果をみることができた。
1 児童の集中力の維持
2 パズル遊びという活動だけでなく,絵ピースのデザイン面で,児童が楽しんで行うことができた。
3 パズルから,指先の訓練,形の弁別能力が高まった。
しかし,当初,一人学習への効果をあまりにも期待しすぎていたために教師の指導性の面がおろそかになりがちであった。本教具を,さらに有効に活用するための教師の指導のあり方について,研究を進めていきたい。