福島県教育センター所報ふくしま No.91(H01/1989.6) -026/038page

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研修者報告 (学校経営B講座)

規則の遵守の心を育む指導内規の整備


福島県立猪苗代高等学校教諭  佐 藤 隆 夫


1.研究の趣旨
 相互に迷惑をかけないように,規則遵守の心を育てることは,今や学校必須の課題となっているが、本校では,組担任や教科担任等による白常指導に加えて,学校集会と朝の登校指導も重視して行なってきた。
 月初めの学校集会では,1.校歌斉唱2.校長訓話3.教諭の講語4.校務分掌各部・各係からの連絡徹底5.表彰披露・賞状伝達6.服装頭髪指導などを行ない,生徒の士気高揚,帰属意識の深化や望ましい聴取態度の育成,規則遵守の心構えの実践等を目標としており,'登校指導では,生徒らしい服装頭髪を諭し,生徒一人一人との触れ合いを求めて努力してきた。
 そして,本校としては,努力目標に「安全教育・諸規則遵守の徹底」を挙げ,生徒指導部も「生徒指導の諸規程を整理し,指導カ向上に努める」ことを努力事項としてきた。経年とともに意味を失ったものも含め,指導のための内規を現実に合うものに整えて、職員が共通理解の上に足並みを揃え,自信をもって指導できるようにしたいし,その上でなお一層規則を守る心構え・態度を養成したいと考えた。
 本校として当面解決必要な問題点のうち,特に緊要なことは,次のような事柄であった。
(1)生徒の問題行動を発見したときに,どんな手順で特別指導に入っていくかが,「校内規程集」等の  文言に残されていない。語り伝えの前例を基礎とし頼りとしているために,転入教員等が適時適切  な指導をすぺきときに,戸惑いが見られる。
(2)学校週番の運営状況が,学級減による職員数減少,生徒の多様化,規程の形骸化等により・労多く,  効少なくなっている。
(3)猪苗代地方は,自然景観に優れた観光地であるために,特に好季節には,高校生も'、重要な働き手  として当てにされ、「アルバイトは禁止・不許可」だけでは通し切れない地域事情がある。
(4)生徒が依拠すべき生徒手帳(生徒心得)に見える矛盾,不備が、服装頭髪指導などの際に露呈し,虚  をつかれることもあり,社会の状況にも合致しない点もあって・生徒心得改訂が話題となってきた。
 職員数が減り,少ない人数で学校を効率よく運営していくためにも,まずは以上4点を中心'に据えて、指導の基礎を不動のものにする必要があると考え,標記の主題を設定した。
2.研究の見通し
 特別指導の手順を成文化し,週番活動の改変やアルバイト規定の改訂・生徒心得の改訂をするに当たり,職員の共通理解のもとに,学校の実態に即した成案を得て,指導・実践を継続すれぱ,確信をもって生徒に規則遵守を指導できるであろう。
3.研究の方法と対象
(1)研究の方法
  1.研究・調査についての構想と文献等研究
  2.実態把握と問題点の分析
  3.諸規程の原案作成に関わる校内研修
  4.成案完成
  5.成案の実践と,その結果の評価
(2)研究の対象
  1.本校教職員31名
  2.本校生謄385名



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