福島県教育センター所報ふくしま No.91(H01/1989.6) -027/038page
4.研究内容と推進計画
(1)研究構想の策定 6月
(2)文献研究 6月〜8月
(3)実態の統計と問題点の分析 8月
(4)週番制度・生徒心得等についての討議・検討 8月〜10月
(5)具体的実践策の策定 9月〜10月
(6)指導実践 10月〜12月
(7)実践結果の評価 12月
(8)研究のまとめ 12月
5.研究の概要と考察
(1)特別指導の手順等について
1.(丸囲み)生徒の問題行動があって、それを発見したり校外通報があって学校から事実の確認に出向いたりするときは,特に緊急な場合には,どの教師も正しい手順で特別指導を進める力量を持ちたいと思う。
特別指導の手順等について
1.指導手順
問題行動を起こした生徒の指導は次の手順による。
(1)事故発見者がHRTへ連絡。
(2)HRTによる事情聴取(できる限り複数で当たり、メモを取りながら聴取する。)
(3)本人には、事情聴取後、すぐ、問題行動の事実と反省文を書かせてから、帰宅させる。
(4)HRT及び事故発見者が、事故発見報告書・指導資料を生徒指導部に提出
(5)場合によっては生徒指導部でも再度事情聴取をし、生徒指導部会による指導方法原案の作成。
(6)職員会による指導方法の決定。
(7)HRTから保護者への連絡。
(8)本人と保護者を学校に呼んで、校長・教頭・生徒指導部長・HRTの四者が同席して、本人と
保護者に事実の確認をした上で、説諭し、指導の方法を申し渡す。
特別指導をうけている間の「心得」を渡し、朗読させてから、他の生徒の目に触れないよう
に退出させる。
(9)特別指導の期間を明言することを避けて、生徒が深い反省をするように、激励する。
2.特別指導期間中の指導
(1)頭髪・服装を整えさせる。
(2)書き方の事前指導を徹底し、毎日、反省日誌を書かせ(保護者にもその日の所感を記入して
もらい)、HRTに提出させる。
(3)HRTは、反省日誌を読んで所見を記入する。日誌の書き方も指導する。
(4)HRT(事情によっては、学年所属の教員や生徒指導部)が家庭訪問して指導する。
(5)反省日誌は、HRT−生徒指導部長ー部員ー教頭ー校長の順で点検する。
(6)反省が充分で立ち直りを期待できると判断できれば、職員会(場合によっては生徒指導部会)
に、指導機関の終了について諮る。
(7)再び、本人と保護者を学校に呼び、特別指導の終了を伝えたうえで、本人に今後の努力を約束
させる。事後指導は、継続していく。
(8)家庭の事情を勘案して、登校させて特別指導をうけさせる場合もある。2.従来語り継がれてきた指導手順を、再検討して,職員会等を経て成文化した。
3.「非行の事実や反省文・反省日誌」'等を書かせる場合には,学習指導と関連づけて細かに配盧して,正しい文字や語法・書き直し(清書〉まで指導する回{資料下〕
(2)職員生徒週番活動について
1.従来の週番活動としては、職員2人と生徒6人(各学年に3組あり学年の1組・2人が週6目のうち,2日間を校内巡視に当たる。各学年から1組ずつで6人となる)で行なった。固定した各組代表委員ではなく、全生徒に順番に週番活動を経験させるという建前になっていた。職員生徒週番規程を読んでも.全生徒にやらせるとは読み取れないのだが,憤行としてやって来ていた。しかし,今日の多様化した生徒たちでは,週番運営にも無理が生じてきている。
2.諸規定見直しの声が強くなり,生徒会の生活委員会に直属する週番会でもあるので,生活委員会活動の活性化を図ることと合わせて・週番活動をどうするかが検討課題となった。
3.職員会等の承認を得て週番活動を一時休止とし,数次にわたる生徒指導部会で検討し,職員会に諮り,議論を続行した。しかし,時間の経過とともに,ろべ炉辺談話風に週番復活論も聞かれるようになったので、職員協議会を持ち・フリートーキングをしたところ、必要性を認め「週番」制度を残す意見のほうが優勢を占めた。その後の職員対象アンケートでも,70%の回答者のうち80%が週番復活賛成になっていた。
4.復活した場合でも,週番活動の様態・内容を変更して,現実の勤務状況や生徒の状況に合致したものにせよというのが大勢であった。職員協議会の意向を踏まえて、生徒指導部会を数回開いて職員のみによる週番という成案を得た。提案の理由を具して運営委員会・職貝会にはかったところ次ぺ一ジのように決定された。