福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -012/038page
3.楽しい保健学習を成立させるための教材の条件楽しい保健の授業を成立させるためには,教師の技量と子どもの意欲と良い教材によって生み出されるのではないかと思います。授業においては,かなり教材づくりが重要になってくると思われます。子どもたちの意欲を盛り上げる教材とは「わかること」と深く結びつくことが必要なのです。「わかる」ということは,子どもの思考の中に次のような事態や変化が生じたときであるといわれています。
1.興味のある新しい事実を知ったときや現有の知識と結びついたとき。
2.新しい知識によって今までの不確実な知識の部分がはっきりしたとき。
3.その知識によって「なるほど」と説明され納得ができたとき。
4.今までの考え方が新しい知識によってひっくりかえされたとき。
5.その知識を使って新しい問題が解けたとき。子どもの思考活動の中に,このような変化が起これば,楽しさや意欲を喚起させることができると思います。このような授業を実現するためにも,教材づくりがなによりも大切になってくるものと思います。
そこで,授業に強くなる保健の教材づくりの方法として「授業書」づくりに取り組んでみました。 4.食べものの授業書について
子どもたちは体の成長に悪い影響を及ぼす飲食物を知らず知らずのうちにとっていることが多い。
そのことによって,肥満や子どもの成人病がひそかに広がっていると言われている。そこで,子どもたちが健康な生活をするために,食べものを教材化し次のように進めてみた。
(1)授業時間数は2時間とする。
1.人間は生きていくために食物をとること。
2.食物はバランスよくとらねばならないこと。
3.食べものと運動について
4.食べものと睡眠について。
(3)学習のねらい
健康は運動,食事,睡眠などの調和のある生活行動によって保持増進することができる。
[質問−1] 次のことばは,みなさんがとても好きな食ぺものの頭文字です。つづけて書いてみましょう。
オ ハ
カ ハ
ア キ
サン ト
ヤ ク
ス
メ
[質問−2] 次のことばは、みなさんがあまり好きでないかもしれない食ぺものの頭文字です。つづけて書いてみましょう
オ マ
カ マ
ア ス
サン テ
ダ キ
イ
ス
キ
[質問の答え] オ オムレツ ハ ハンバーグ
カ カレーライス ハ ハムエッグ
ア アイスクリーム キ ギョウザ
サン サンドイッチ ト トースト
ヤ ヤキソバ、やきめし ク クリームスープ
ス スパゲッティ
メ メダマヤキ
みなさんの好きだと思われる食ぺものにはいくつかの問題点が考えられます。
1あまり手間がかからない。
2.冷凍・半調理すれぱすむ加工食品が多い。
3.あまりかまないで飲みこめる。柔らかい料理。
4.根菜類(こんさいるい)など繊維(せんい)の多い野菜を使うことが少ない。
5..肉を使った料理が多く動物性脂肪が多い。
[質問の答え] オ おから煮 マ まつたけごはん
カ かぱ焼き(うなぎ・いわし) マ 丸ぼしいわし
ア あずきごはん ス すきやき
サン さんま塩焼き テ てんぷら
ダ だしまき玉子 キ きりぼしだいこん
イ いも(ぼう)
ス すし
キ キンピラごぼう
みなさんから嫌われていると思われる食べものには,成長期にぜひとりたい食品であり.成人病を予防してくれる多くのものが入っています。
@ピーマンにんじん,ネギなどの野菜.魚,海藻(かいそう)煮豆酢などには繊維,ピタミン,カルシウム,植物性油脂,植物性夕ンパクがふくまれている
A大豆みそ、豆腐,おからなどにふくまれているグリシンというアミノ酸は,むし歯の原因になるミュータンス菌を増やすことを止める働きかあるといわれています。
Bごぼうレンコンなどの根菜類や繊維の多い野菜は、歯をそうじしてむし歯を防ぐはかりで
お相撲さんは太っている人がほとんどです。では、一日に何回食事をするでしょう。
ア 1日1食
イ 1日2食
ウ 1日3食
エ 1日 食