福島県教育センター所報ふくしま No.95(H02/1990.6) -001/038page

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巻頭言

所長 津田俊晴
所長 津田俊晴

平成二年度を迎えて


所長  津 田 俊 晴

 県教育センターの諸事業の推進につきましては,平素より教職員の皆様方の御理解と御協力をいただき心から感謝申し上げます。

 平成2年度を迎えての各学校における関心事の一つは,本年度から本格化する新学習指導要領への移行をどのように進めるかということであろうと思います。

 皆様も御承知のことと思いますが,前回の改訂では,当初の意気込みにもかかわらず,学校の自主性や教師の創意工夫が,期待されたほどの成果を収められなかったという事実があります。学校裁量時間が移行期の情熱を持続することができず,尻すぼみに終わったことは,まだ忘れ得ないことです。

 この轍を踏まないためにも,私たち教職員には,専門職としての誇りをもって,広い視野と柔軟な発想を求めて,自ら資質の向上に努める責務があるように思われます。

 教師に求められる資質といっても,それに対する答えは様々であるように思われますが,ここでは,経済協力開発機構(OECD)の「教員の条件」プロジェクトにおける議論から要約(国立教育研究所の牧昌見先生による。されたものを参考に引用します。その中では,これからの教師に求められる資質,能力,力量として,次の7項目があげられております。

 (1)子供の多様な能力,適性,個性に応じた多様なカリキュラムを作成,開発できる能力をもつこと。

 (2)(1)に対応した多様な指導法,評価方法を開発できる能力をもつこと。

 (3)生徒指導,教育相談の力量をもつこと。

 (4)心身に障害のある子供を指導できる能力をもつこ』

 (5)情報機器の初歩的操作ができる力量をもつこと。

 (6)文化を異にする子供を指導できる力量をもつこと。

 (7)教職にふさわしい人柄,人間性,パーソナリティーをもつこと。

 このことから,私たち教職員は,資質,能力,力量の向上のため,何を学び取って行かなければならないかを推察できるように思うものです。

 本年度も,当教育センターでは,教職員の皆様に親しみをもって,御活用いただけるよう努めるとともに,所員一同精励して諸事業を推進して参りますので,御支援下さいますようお願い申し上げます。


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