福島県教育センター所報ふくしま No.99(H03/1991.6) -029/038page

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(2) 検証と考察
1. 検証の視点....(略)
2. 授業の考察
 ア ねらいと材料のかかわりについて
  季節や環境・これまでの児童のかかわり等から考慮してとりあげたこの材料は、何気ない身近な所にも造形的可能性を十分持っているものがあることがわかったり、新たな楽しい遊びを発見する喜びも味わわせてくれたりするものだった。
 これは、造形遊びのねらいの一つである「児童自らが主体的に材料の扱い方や特性に気づき、自分にあった表現方法を見出せる。」という観点からみても効果的であった。
 イ 材料収集の活動のさせかたについて
 草や木の葉を集める段階から前時の授業で取り組んだ。この活動を通して、形・色・大きさ・手ざわりなどの特性を自分から見つけ出すことができ、心の耕しも図られた。
 ウ 題材設定、環境づくりについて
 「虫とお話して、虫になっていっしょに遊ぶ」という夢のある設定は、単に遊びたいという気持ちの先走りも多少見られたが、大半は材料と全身でかかわり、もぐったり、ひっぱって遊んだり、巣づくりをしたりするなどの楽しい活動が見られた。
 言葉かけや環境づくりは、発想のきっかけとなり想いをふくらませることができた。
3. 諸調査.....(調査結果は略)
 〇 造形遊びへの関心の変容
 〇 活動内容の変容
 〇 本時の感想
4. 結果の考察
 ア 単に遊ぶことも大切であるが、あるものになりきり、自分のめあてがあって取り組むことにより、楽しく活動でき、関心が高まった。
 イ 活動内容は、仮説にせまる手だてにより、手先だけの活動から、もぐる・つな引き・なわとび・身につけるなどの多彩な発展がみられた。
 ウ 情意面では、友達とのかかわりにも目を向け、協力・はげまし・認め合いなどがみられ意欲が高まった。

(3) 結論
1. 材料の開発・題材の設定・環境づくりなどでの工夫は、新鮮な感動を呼びおこし、造形遊びの活動が楽しくなり、活動や表現の内容にも広がりがみられ、有効であった。
2. 単に遊ばせるばかりでなく、教師がしっかりとねらいを持ち、児童の活動がより工夫され、楽しく発展できるように見守り、援助してやることなども大切であることがわかった。
(4) 今後の課題
 造形遊びの学習が中学生まで延長されたという重要性をふまえ、発展性を考慮して指導していく必要がある。このため、ねらいに沿った系統的な指導内容・計画を確立していくことも大切である。


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