福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -009/038page
4. レーザー光を3本にする簡便法
スライドグラスと鏡で、図6のような簡易ビームスプラッターを作るとレーザー光を3本にできる。
これを用いると、煙で満たした水槽中でレンズのはたらきなどの演示が明瞭になる。
5. 耳で聞く相互誘導
音声電流の変化を利用した相互誘導の実験で、空間を通して電気的なエネルギーが伝達されていることを耳で確認できる。
太さ0.5〜0.8oのホルマル線を直径35cmくらいに30〜100回巻いた大きなコイルを2つ用意する。
コイルの1つ(一次コイル)はアンプのスピーカー端子に接続し、他のコイル(二次コイル)はスピーカーに接続する。
2つのコイルを近づけるとスピーカーから音が聞こえ、近づけば近づくほど明瞭になる。2つのコイルの相対的な位置などをいろいろと変えて実験する。
なお、相互誘導実験用の「二重コイル」を利用したものは、鉄心の効果も明示できる。鉄心を入れると、聞こえる音は大きくはっきりし、まろやかになる。
おわりに
実験はその使い方や場面をよく考えて実施してはじめて効果が上がる。このような簡易実験が、授業の味を引き出す1つのスパイスになれば幸いである。
[参考文献]
1) 米村 傳次郎:「物理教育通信」第53号 P.126 1988
2) 村山 正之:「物理教材の研究」P.63 全理セ編 東洋館出版社 1988