福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -010/038page

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所員個人研究−(中学校 数学科)

「図形領域におけるデータベースソフトの作成
−「課題学習」におけるコンピュータの活用−

科学技術教育部   藤田 充

1.はじめに
 コンピュータを学習指導に活用する効果としては,個に応じた学習指導ができることだけでなく,教科に対する興味・関心の高揚や主体的な学習態度の育成が図れることなどが挙げられる。新学習指導要領において,新設された「課題学習」のねらいには,「数学的な見方,考え方の育成を図り,主体的な学習態度を促す統合的な課題を扱う」とあり,学習指導の在り方については,「個に応じた多様な指導法を工夫するなどして改善,充実を図ること」と示され,コンピュータを活用して指導に生かすことが明示されている。
 このようなことから,本研究においては,下記のような仮説を設け,「課題学習」におけるコンピュータの効果的な活用について追究した。
ここでは,1年次の研究であるデータベースの作成と課題設定に関する基礎研究について述べる。
研究仮説
「課題学習」において,コンピュータのデータ
ベース機能を活用し,生徒が主体的に学習でき
る場を保障して,個別的に課題追求の援助を行
えば,数学に対する関心が高まり,学習への意
欲が向上するであろう。

2.研究の方針
中学校2年の「図形頷域」の「基本用語」を洗い出し,この基本用語についてのデータベースを作成する。実際に,学校においても作成・活用できるように,教師が操作し易いソフトウェアを選択する。また,授業設計においては,作成したデータベースソフトを活用しながら,生徒一人一人が主体的に解決できるように課題を工夫・設定し,その中から,多様に問題を選択できるようにする。
3.研究計画
(1)1年次・・(基礎研究)平成2年度
 1.データベースの作成(その1)
 2.授業構想(「課題学習」について)
(2)2年次・・検証
 1.データベースの利用……検証授業
 2.データベースの作成(その2)
(3)評価・考察
4.研究経過
 (1)データベースの構想
「基本用語」についての意味や定理の解説とそれに関連する図を,1画面にまとめて表示する。「基本用語」をキーワードとして検索し,必要な画面を取り出して,既習事項を確認・復習させながら,課題解決のための資料として活用させる。
データベースとは
情報(データ)を収集・蓄積しておき,必要なときに
取り出すことができるシステムをいうが,現在は,コ
ンピュータによって情報を検索,分類,管理するシス
テムをいう。こうしたデータベースをパソコン上に実
現するのがデータベースソフトである。


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