福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -030/038page

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研修者研究報告(教育研究法講座)

学習意欲の高揚をはかる「現代社会」の学習指導
―相互評価を取り入れた新聞作りを通して―

福島県立船引高等学校教諭 小 林 壽

1. 研究の趣旨
 一動機とねらい一
 「今日の外国為替市場は…………」,「日米経済構造協議で…………」。こうした類のニュースが報道されない日は,近頃では皆無といってよい。
本校においても,国際化の波がひしひしと押し寄せ,しかも,その波動が,主として情報メディアを通して感じとられるこの頃である。
 ところで,新学習指導要領,公民科,「現代社会」では,内容の(4)国際社会と人類の課題に,「国際的な相互依存関係の緊密化に伴う国際社会の変化及び,日本経済の国際化について理解させ」とある。さらに,内容の取り扱いでは,「的確な資料に基づいて社会事象に対する」,「見方や考え方を育成するとともに,学び方の習得を図る」と述べている。
 国際化し相互依存関係が益々増しつつあり,また情報化が進展している現在において,学習指導要領で述べていることは,現代社会の重要な指導内容と指導法をあわせ持つキー概念であると,考えられる。
 こうしたことを念頭に入れながら,本校生徒の実態を調査し分析した結果は,次のとおりである。
1.おもな国の首都名を1つも正しく答えられなかった者が57%を数えた。
2.新聞を見るのは10分程度で,しかも「政治,経済,国際欄を見るのはきん少であること。
3.生徒が望む授業形態は,視聴覚教材を使ったり,自ら主体的に学習できるそれであること。

2. 仮説
 上記のことから標記の主題および以下の仮説を設定した。
「現代社会」の学習において,生徒の興味・関心に応じたグループを作らせ,
作業の手順を明示したワークカードにより新聞を作成し,相互評価をさせれば,
学習する意欲が高まり,理解が深まるだろう。


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