福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -032/038page
今までの一斉指導を中心とする授業と比較しながら自分の気持ちに近い方を選ばせたものである。真中はどちらともいえない者の%を示す。
(イ)の1 情意面を中心とする自己評価カードの結果 項目 % 項目 眠くなることが多かった。 3 69 28 ・しゃんとしていた。 おしゃべりが多くなった。 55 40 5 ・静かにすることが多かった。 黒板の字を写すだけだった。 10 56 34 ・自分で調査する等積極的 他人の進度や態度がきにならない。 14 48 38 ・相談したり話し合って学習した。 つまらなくてあきてしまった。 5 45 50 ・楽しくのびのびとできた。 ひとまかせでブラブラしていた 7 43 50 ・分担した役割をこなした。
(イ)の2 楽しく伸び伸びとできた理由は何か(複数回答) 項目 % 興味関心によってグループわけしたから 69.7 責任をもって新聞をつくったから 21 世界の情勢がよくわかったから 6 相談したり話し合いできたから 78.8 いろいろ調査したから 18.2 その他 3
(ウ)自己評価カードより学習後の感想から抜粋 生徒名 よかったこと 改善点・問題点 Y・O いつもは新聞を読むだけのこ
としかしていなかったけど自
分たちで新聞を作ってみんな
楽しく協力した。最後にあいているところに絵
をかこうと思ったけど、
時間がなくて書けなかった。M・K 班全員が積極的にやったので、
今後、また新聞をつくるとき
もまじめにやりたい。もっと新聞を深く学びたい。
とくに世界の動きなどもよく
調べてみたい。
(エ)新聞コンクール評価一一省略
3. 考察と結論
(ア)スポーツやテレビ欄を見る割合が低下し,逆に社会面や国際面を見る者が増加したことがわかる。このことは,単元のねらいに合致した結果を得たといってよい。
(イ)生き生きと授業に取り組むことができた。意識の高まりも読みとれると思う。
(ウ)具体的な内容を例示した上での説明ではないが,国際社会への関心を高めた生徒が一部に出てきた。仮説の一定の有効性が確かめられた。
(エ)相互評価カードを見ると,見出しや構成面でのコメントが多く,その意味ではもの足りなさもある。しかし,内容面にわたる指摘も適宜なされていることは,この試みがプラスに生かされたものと考えられる。
4 反省と問題点
(1) 興味・関心に応じたグループを作らせたことは,生徒が生き生きと学習に取り組むという点ではよい結果を得たと思われる。しかしながら,集団としてグループ活動がうまく機能するという点で,リーダーの不在がマイナスに作用している。リーダーの指導をどうするかが,今後の課題として残されている。
(2) 単元をまさにひとつのまとまりとしてとらえ,その中で生徒が自主的に学習に取り組むにはどういう手だてや指導が必要であり,可能か。このことを念頭において,今後も指導していきたい。
(3) 指導法の工夫と指導内容,教材を一体のものと考え,教材研究に励みたいと思う。