福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -033/038page
○ 自力解決での教師のかかわり
全員が自分なりに考えをまとめることができた。上位児には多様な考えで取り組むよう促した。2つの考えで解決したが,答えが合わずに迷った子に,スッキリランドで確かめるよう促すなど助言や援助でかかわりを持っことができた。
2.諸検査の結果
ア 事前,事後,把持テスト…(略)
イ 算数日記による感想
ウ 評定尺度法による意識比較
3.結果の考察
ア. 中位児の感想の中に,「心配でなくなりました。」とあることカ)ら,スッキリランドでの操作活動が,自分の考えに自信を持たせることになり,不安を解消するために,有効であったと思われる。
イ. 下位児の子は,これまでほとんどスッキリランドで操作活動をしてきた。しかし,検証授業2では,自分の考えをノートで解決しようとし,自力解決への意欲が高まってきた。
ウ. スッキリランドで活動した子と自席で解決した子の参加度や意欲面では,あまり差がない結果が得られた。予想以上に授業に積極的で意欲的であったことが分かった。(3)結論
1. スッキリランドでの自分で選択した物による具体的操作活動や小集団での話し合い活動が,解決の糸口を発見するだけにとどまらず,自分の考えを確かめるものとなった。これは,スッキリランドでの活動が,自由で子どもたちの解決したいという願いをかなえるものとなってきたと思われる。
2. 単元が進むにつれて,スッキリランドに行かなくても,自力解決していこうという意識がみられるようになった。
5反省と今後の課題
(1) スッキリランドでの操作活動に重点がかかり過ぎて,練習問題をしたり,ノートにまとめたりという定着させるための時間が不足してしまった。念頭操作で解決していこうとする子もみられたが,1つの考えを見っけるとすぐに,その考えを確かめようとし,いくつもの考えからのアプロ一チを試みることがなくなってしまった。
(2) 子どもの学習意欲を高め,主体的に取り組ませるための学習形態の工夫や評価の工夫などについて,今回の研究実践を生かし,継続して研究していきたい。