福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -030/038page
< まとめ >
担任が明るい雰囲気で家庭訪問を繰り返し,C男の好きな漫画をヒントにして漫画連絡帳を作った。それを通してラポールを形成し,目標を持たせたことが基本的によいと思われる。現在,C男は,保健室に通い美術と社会の授業に参加している。最近は,清掃や担任の持っている新聞部の活動にも参加するようになってきている。
無気カ傾向から不登校となった生徒への対応
無気力の状態や本人の能力や性格によっても異なりますが,「無気力傾向」が主な要因とされる場合の一般的な対応についてまとめてみます。部分的には他の要因で不登校になった生徒にもあてはまるものがあります。
<本人への働きかけ>
○「登校しなければ」という心の負担を取り除きながら,訪問,手紙,電話などにより教師との人間関係を深める。
○受容的な態度で接し,本人の悩みを聞いたり将来の夢や進路について話し合ったりしながら具体的な目標を設定させる。
○本人の特技や興味を示すもの等を敏感に察知し,それを励まして自信を持たせ自己像を高めてやる。
<学級・友人への働きかけ>
○本人ができることを,係分担の中で明確にさせ,実行できるよう集団やグループの指導援助に心がける。
○不登校の状態を見ながら,友人に遊びに誘わせたり訪問,電話,手紙などで接触させたりして,本人を励まし,活動に誘う指導援助をする。
<親・家族への働きかけ>
○家庭訪問や電話等によって,家庭との信頼を深め協力関係を築く。
○子供を励ましながらも,生活のリズムをくずさないようにさせる。
○無理に登校させようとせず,親子の触れ合いの中で,子供の自主性,特に問題解決能力を高める具体策をともに考え,実践させる。