福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -036/038page
同会以降,各方部においては短期間のうに組織づくりが進められ,次々に各方部会長より顧問教師を通じ,各方部会開催の連絡が入り,ここに懸案であったPTA方部会が開催されることになった。
(7)実施した方部会開催状況(略)
(8)PTA方部会開催内容
各PTA方部会の開催については,おおむね19〜21時とし,学校側からの出席については,各PTA方部会顧問を中心として,校長,教頭,各課長,各学年主任等バランスを考慮して行い,本校の教育目標について説明し理解を得るとともに,保護者から本校への要望・意見を伺うことに主眼を置いた。
(9)各方部会における共通的な要望,意見,質疑(略)
(10)成果と変容
各PTA方部会が実施されるとともに,学年PTA及びホームルーム単位の保護者会も数多く行われ,また,安達高校開放講座をPTA主催で実施したことの相乗作用により,今,安達高校は変わりつつある。
ア.保護者の変容
(ア) 学校の教育目標が理解され,『新生安達・再生安達」への協カが深まってきている。
(イ) 授業参観を導入したことにより,学年PTA及びホームルーム単位の保護者会への出席率の向上が著しい。
(ウ) PTA主催の学校開放講座に関心を示し,開かれた学校に好印象を持つようになってきている。
(工) PTA方部会がお互いの研修の場であるという認講に立ち,参加してよかったという気運が見られるようになっている。
イ.教職員の変容
(ア) PTA方部会の顧問教師となり,保護者からの学校への要望,意見を知ることにより,PTA活動全般にわたっての関心が高まっている。
(イ) 教室はもちろんのこと,校舎内外の美化にもカを注ぐなど,教育環境の整備に関心を持つようになってきている。
(ウ) 休憩時閲及び放課後等,各職員室は生徒で一杯になり,添削指導等活気があふれるようになってきている。
(工) 創立70周年を2年後に控えていることもあり,地域の方がたからの本校に寄せる期待に応えるために,全教職員が学カの向上及び部活動の活性化に取り組む姿勢が見られるようになってきている。
ウ.生徒の変容
(ア) 欠席,遅刻,早退が減少し,基本的な生活習慣が確立しつつある。
(イ) 中途退学,休学,問題行動が激減の方向にあり,教職員と生徒との信頼関係が深まりつつある。
(ウ) 授業を大切にする雰囲気がつくられて来ており,放課後の課外授業の参加率も極めてよく,図書館の利用及び教室での居残り学習の生徒も増加しており,学カの向上と第一志望実現のための目学目習の生活習慣も生まれてきつつある。
6.今後の課題
(1)方部会開催における出席率向上のために,方部会ごとの運絡網づくりの研究対策が必要である。
(2)学年PTA及びホームルーム単位の保護者会との関連性と,方部会ならではの特色づくりの研究が必要である。
(3)本校教職員がPTA方部会を通して,地域杜会にどう貢献できるか,教職員派遣による研究を進める必要がある。
(4)PTA方部会への生徒の参加が可能かどうか,生涯学習やボランティア活動の面からも研究検討が必要である。
(5)PTA方部会と中学校との連携をどのように進めるべきか,今後の研究課題である。
(6)「地域に根ざした学校づくり」は,一朝一タには達成できるものではない。生徒・教職員・保護者あげての地道な努力と,たゆまぬ研究と実践の継続こそが,地域杜会に支援された「おらが学校」となるものと考える。