福島県教育センター所報ふくしま No.107(H05/1993.6) -006/038page
II 研究のねらい
1 生徒の興味関心に応じて,資料などを検索しながら,多様な情報を基に自ら課題を解決していくことができるようなマルチメディア教材を開発する。
2 非階層構造的な教材のコンピュータによる開発方法と,開発における問題点,マルチメディア教材の活用の在り方や有効性を明らかにする。III 研究内容と研究計画
研究のねらいを踏まえ,研究内容は次の2点とし,2年計画で進める。
1 マルチメディア教材の開発(1年次)
(1)開発の考え方の研究
(2)生徒一人一人の興味関心に応じ,自ら課題解決ができる教材の開発
2 マルチメディア教材の活用(2年次)
(1)学習形態による活用の在り方
(2)入力機能や編集機能を利用した教材提示の在り方
(3)教材の有効性と問題点IV 研究の概要(平成4年度)
1 マルチメディア教材の開発
(1)開発の考え方
今回の開発に当たっては考え方のよりどころをE・Dガニエ著,赤堀侃司(東京工業大学教育工学開発センター助教授)監訳「学習と認知心理学」に置いた。
具体的な方法として,大阪大学教授,水越敏行氏によって発見学習の中で開発された「学習者の発想や連想を生かしながら,教師の意図を反映させる方法」(「思考のモデル図」と呼ばれている)の考えを基にしてマルチメディア教材の開発に応用した。
この「思考のモデル図」は,学習者が,提示された中心になる概念から,連想したり,恩考したりする過程を,あらかじめイメージマップなどにより調べ,連想したことや思考したことをカードに記入し,授業設計を行う方法である。
(2)生徒一人一人の興味関心に応じ,自ら課題解決ができるマルチメディア教材の開発
1.開発構想
この構想に基づいて,開発の概要を以下に述べる。
2.「思考のモデル図」と「教材構造図」の作成