福島県教育センター所報ふくしま No.107(H05/1993.6) -013/038page
3.実験ノートの作成
(1)作成にあたって留意した点
○内容は高校の物理で学習する, 運動の表し方(速度・加速度)と落体の運動(斜方投射運動を含む) とする。
○ 体系的に学習できる ように,全体的にストーリーのある内容構成とする。
○「新科学対話」より, 科学の方法を学ぶ うえで参考になる文章や図を引用する。
○観察,実験を中心に構成する。
○測定データなどを自由に書き込めるようなノート形式にする。
○原則として1テーマを見開き2ぺージにまとめ, 50分で学習が終了できる 内容にする。
(2)内容
作成した実験ノート「自然の探求」は32ぺージの小冊子で「新科学対話」にならって,第1日から第12日まで12のテーマで構成した。以下にテーマとそこで学習または体験する科学の方法を示す。
テーマ 科学の方法 第 1日 重い物体ほど速く落ちるか 思考実験,推論科学的なものの見方 第 2日 振り子の運動 条件の制御,測定規則性の発見 第 3日 等速直線運動 運動の図(グラフ)による表現 第 4日 瞬間の速さ 数学的考察 第 5日 一様な加速運動 科学的なものの見方,仮説の設定数学的考察 第 6日 斜面の実験 条件の制御,測定数的処理,データの分析,仮説の検証,推論 第 7日 落下運動を調べる(1) 条件の制御,測定数的処理,データの分析,規則性の発見 第 8日 落下運動を調べる(2) 実験による検証 第 9日 運動の合成 数学的考察・証明実験による検証 第10日 放物体の運動 数学的考察,論証 第11日 放物体の運動を調べる 条件の制御,測定数的処理,実験による検証 第12日 実験とはどういうことか
写真は作成した実験ノートで,その内容の一部を次のぺ一ジに示す。