福島県教育センター所報ふくしま No.107(H05/1993.6) -019/038page
初任者研修を受講して
福島県立磐城女子高等学校教諭 堀田 裕子
日々の実践において一番頭を悩ますのは,個々の生徒がいかに主体的に授業に参加するよう促すかにある。そのため,生徒が興味関心をもち,楽しんで取り組める教材を提供していきたいと考えている。しかし,教材費・教室設備,そして経験不昆から,その教材が果たして生徒の表現世界の拡大へとつなげられるかなど様々な不安が付き纒い,思うような指導案がまとまらない日が続いた。そんな中で受講した初任研美術講座は,同じ戸惑いをもつ仲間が集まり,お互いの意見や脳みを交換しあう場として大変有意義なものであった。そして学校に一人しかいない美術担当という現状の中で,先輩の体験に基づくご指導は,今の自分の悩み一つ一つに対する回答として貴重なものであった。また講座の中で,素材を与えられ,それを基に授業案を作成する演習があったが,決められた時間の中ではその素材を思うように教材化できず,大きなショックを受けた。いままで「生徒はできる」との前提で授業をしていたため,「できない・遅れるのは生徒の能力のせい」・・・・とあ思い上がりがあったのではないか。むしろ,こちらの教材提示に問題があったのでは。教える立場からだけでなく,自分が生徒であった時の焦燥感を忘れてはならないと感じさせられた研修であった。
小・中情報処理教育講座を受講して
福島市立吾妻中学校教諭 明石 浩美
「本講座は,学校で惰報処理の指導的立場の先生を育成するためのものです」・・・・との開講式の言葉に,ワープロ操作しか経験のない私は,大変緊張しました。前期は基本概念と操作の基本を,後期は教材作成を主とした中味の濃い10日間でした。
とりわけ印象に残ったのは,国研・堀口先生の講話で「コースウェア作成は生徒のあらゆる可能性を考え,予想される間違いをどのくらい丁寧に拾えるか。そしてその際の柔軟な対話の有無が,コースウェアの成否を決定する。」の言葉でした。これは,ふだんの授業での対話においても心しておかねばならないと反省させられました。
講座中,ごく基本的な質問にも快く丁寧に指導下さいましたセンターの先生方のおかげで,曲がりなりにも自己作成のソフトが完成した時は,久し振りに,教わり,学び,そして達成する喜びを味わうことができました。今後も,学んだこれらのことを生かして教材研究に努めていきたいと思っております。それと同時に,計算処理やファイル等現場での実務処理にすぐ使える知識・技能が習得できたことも大きな収穫でした。また,センター研修のたびに同室の先生をはじめ,先章・同輩の先生方とのネット・ワークも広がり,実に実り多い研修であったと思います。