福島県教育センター所報ふくしま No.108(H05/1993.8) -020/038page
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特別活動の計画の作成と指導の充実のために 学 習 指 導 部
○「特別活動とは何だろう」
文部省教科調査官 成田 國英 著 (文渓堂)
今日の教育は,変化の激しい杜会において一人一人の子どもがその個性を発揮しながら,主体的,創造的に生きることができる資質や能力を育成することが求められています。このような教育を実現するためには,子どものよさや可能性を積極的に見い出し,生かすことが大切です。そして自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などの能力の育成を重視する新しい学力観に立って指導する必要があります。
特別活動においても,子どもたちに集団活動を通して自主的,実践的な態度を育てるという特質を生かしながら子どもたちが自ら考え,主体的に判断して行動できる資質や能力を身につけることができるよう指導することが大切となります。
本書は,現在,文部省の教科調査官として活躍されている著者が,書名の表すとおり,子どもたちの健全な人間形成を図るための特別活動の在り方について,その今日的意義や基本的な性格を明らかにしながら計画と指導,評価について具体的で分かりやすく解説されています。各学校で特別活動を研究する際の参考図書としてお薦めします。
○「小学校新しい特別活動の指導と評価」
文部省教科調査官 成田國英,他共編 (教育出版)
今次改訂された児童指導要録は,新学習指導要領の目指す新しい学力観に立った評価の在り方を示しています。子どものよさや可能性を積極的に見取り,伸ばすとともに,指導の過程や成果を評価し,学習意欲の向上をめざすことを強調しています。
本書は,冒頭の「特別活動の全般にわたって,その計画,指導と評価について新しい視点から,これからの評価の在り方を追求するとともに,改訂された児童指導要録の記入についての具体例をあげ,読者が日常の実践と評価の活動に直接役立つよう編集したもの」という言葉が示すとおり,特別活動の各内容にわたって多くの指導事例と評価の実際が解説されています。
また,特別活動における児童の活動状況の評価の在り方や児童指導要録と特別活動の記録についても具体的な事例をもとに解説されています。
したがって,先生方が日常の実践と評価の活動をする際に,直接役立つものと思います。さらに,各学校においては,よりよい指導計画の作成と指導の充実を図るために大いに参考になると思われます。