福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -002/042page

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特集・豊かな授業とコンピュータ

情報教育と人間形成

芦葉浪久氏写真

 

 

 

 

十文字学園女子大学 社会情報学部長  芦 葉 浪 久

 

1  情報教育のとらえ方

 毎年,秋から冬にかけて全国の学校でコンピュータ利用教育の公開授業や研究発表が行われる。最近はその名称に「情報教育」と使われることが多い。その内容は,「社会」でのデータベース利用,「算数・数学」での問題演習や図形作成,「理科」での実験データ処理,「図工・美術」での描画ソフトの利用,「音楽」での音楽ソフト利用,「技術」での機械制御などさまざまである。

 文部省が平成2年に刊行した「情報教育に関す る手引」(以下「手引」と略称する)の中には, 各教科の学習で実施できる情報教育の事例が列挙 されている。ところが,その頃実際に行われてい た情報教育は,ワープロソフト・表計算ソフト・ データベースソフト・図形処理ソフトの利用が, コンピュータ利用教育の先進校において,特定の 教科で実験授業として試みられているに過ぎなか った。その頃,CAIによる算数・数学のドリル 学習は情報教育とはみなされていなかった。これ は授業時間中キーボードをたたいて算数・数学の 演習をやっていても,文部省が教育内容として示 した「情報の判断,選択,処理,創造,伝達」を やっているとはいえないという理由からである。 ところが,コンピュータの授業利用は次第に種々 の利用方法が複合的に用いられるようになってき ている。実際の授業運営面からは授業時間の中で この部分はCAI,この部分はツール学習と明確 化することの意味はなくなっている。また,使用 する学習用ソフトウェアの面からも,1本のソフ トウェアの中に,CAI部分とツール学習部分が 入り,これらの区分は実際の使用上考える必要は なくなっている。

 これから,授業場面に立った情報教育を具体的に示すと,次のように幅広いものになる。

2 情報教育の具体例

(1)小・中・高校における具体的情報教育の分類

学習形態 分類 学習例
操作学習

プログラミング学習

1 ツールソフトの操作

2 プログラミング

 

1.ミドルウェアの操作学習(ワープロソフト,表計算ソフト,データベースソフト,図形処理ソフト,グラフ作成ソフト)

2.ロゴによるプログラミング学習

3.他の言語によるプログラミング

ツール学習 3 表現のツール

 

 

 

 

4 検索・分類

4.ワープロやDTPソフトによる国語表現学習(ドキュメント処理)

5.音楽ソフトによる編曲や作曲の学習

6.図形ソフトによる数学の図形学習

7.グラフ作成による数学,社会,理科等のグラフ表現学習

8.描画ソフトによる美術の学習

9.表計算ソフトによる社


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