福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -004/042page

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理ソフト,グラフ作成ソフトなどはミドルウェア である。学校の授業においても,特定の教科に限 定されることなく,ミドルウェアは各教科に共通 したツールとして使うことができる。

2)アプリケーションソフト

 アプリケーションソフトは,特定の利用部門での仕事の内容を直接処理するソフトウェアの総称である。

 この分類に入る学習ソフトは特定教科の内容の学習を行うために,学習進行の制御データを入れずにヘルプ機能を設け,その支援によって学習者自身で学習進行をする形態をとるものである。

3 文部省の示す情報教育

 文部省刊行「手引」の中には,情報教育のねら いを,情報活用能力の育成という形で,次のよう な4項目で示している。(以下これは「手引」4 項目という)

1.情報の判断,選択,整理,処理能力及び新たな情報の創造,伝達能力の育成 

2.情報化社会の特質,情報化の社会や人間に対する影響の理解

3.情報の重要性の認識,情報に対する責任感

4.情報科学の基礎及び情報手段(特にコンピュータ)の特徴の理解,基本的な操作能力の習得

 この「手引」には,情報活用能力4項目ごとに, 小・中・高等学校の各教料,科目で具体的に取り 扱う内容が示されている。

 情報活用能力の4項目は情報教育の大きなねら いであるから,初等中等教育における情報教育は, これら4項目の達成の教育であり,広範囲の内容 を含む教育といえる。

4 人間形成

(1)人間形成 

 情報教育をどのように工夫しても,情報教育そのものの中では,人間・自然などとのふれあいによる共存・共生の感情を育み,心の豊かさやゆとりを持った人間形成を行うことはできない。このような人間性は,人間や自然などと係わり合う直接的な体験を通じて獲得されるのである。人間や自然などとのふれあいによって共存・共生の感情を育み,それを基盤にした思いやり,助け合い,豊かさ,ゆとりという形で発動される人間本来の感情を豊かに育てることは,どのような時代においても重視されなければならない。

(2)コンピュータが子どもに与える影響

1.思考方法への影響

 コンピュータが社会の特定分野に点在し,専門家が操作している場合には,コンピュータは社会でどのように道具として使え,社会の発展に寄与するかどうかを考えればよかった。

 最近は,汎用大型機によるホストコンピューティングから,小型機のオープン化を核としたネットワークによる分散処理のネットワークコンピューティングへの移行と,パーソナルコンピュータの個人利用の普及によって,コンピュータが社会のすみずみまでゆきわたるようになってきている。そのため,今後はコンピュータが進展すると,社会における道具としてこんなに便利になるという面よりも,コンピュータが人間に対してどんな影響を与えるのかについて,じゅうぶん研究する必要がある。これまでの研究によると,コンピュータと大きく係わりあうと,コンピュータは人間の思考方法に影響を与え,これによって人間の自己概念への影響が出るといわれている。

2.人間形成に与える影響

 子どもはコンピュータでゲームをしたり,教科の学習をしたり,作業をしたりしている。日常生活の中でコンピュータと係わる時間が相当大きくなると,コンピュータは他の機械と違って,子ど


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