福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -035/042page
1、2ともかなりの相関が見られた。プリント学習は思考の時間が確保され、自分のぺ一スで学習が進められるので、生徒の学習に対する関心、意欲が持続し、それが事後テストにも反映していることがわかった。
(4) 関心、意欲と思考の関係
プリント学習による生徒の思考活動を、プリント学習における自己評価項目3の(2)の結果でとらえた。これを関心、意欲との関係でみたのが次のグラフである。
関心、意欲と思考との問には相関がみられ、思考を促すには、関心、意欲を持続させることが必要であることがわかった。
(5) 思考と事後テストとの関係
思考活動と事後テストとの問には相関がみられた。よく考えた生徒ほど、知識・理解の定着がよかった。
(6) 成績群別に見た意欲の変容
思考の各段階の学習が終わった時点で、意欲の傾向を調べ、その変容を成績群別に示したのが次のグラフである。成績群は、実行を行う前の技術・家庭の期末テストの得点で、上位20%、中位20%、下位20%を抽出して、上位群、中位群、下位群とした。
上位群、中位群では意欲は持続し、下位群では段階を追って意欲が高まっていることがわかった。このことから、実践した情意面を活性化する方策(1)〜(3)は、成績が上・中位群の生徒、成績下位群の生徒それぞれに効果的に働いたことがわかった。
3 実践の成果
(1) 生徒の学習状況や気持ちを的確に判断し、学習につまずいている生徒を支援することによって、生徒が安心して学習を進められるようになり、学習に対する関心、意欲を持続させることができた。
(2) プリントで学習課題を明確にし、思考する時間を確保したことは、生徒の学習に対する関心、意欲を持続させ、思考を促す効果があり、知識・理解、技能の獲得に有効であった。
(3) 情意面を活性化する方策(1)〜(3)は、成績が上位・中位群の生徒にはもとより、下位群の生徒にも有効であった。
※ 本実践にあたって、授業実践及び資料の提供等について、郡山市立郡山第七中学校伊藤恒明先生にご協力をいただきました。