福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -028/042page

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研究紹介

フィットネスを組み入れた体操の学習

〜A・A・Cを生かした体力づくりをめざして〜


教育センター学習指導部  菅 井 明 人 

I 研究の趣旨

 新しい学力観に立つ学習指導が進められる中で、体育科においては次の3つの点が注目されている。
1 情意面に比重を置いた「楽しい体育」
2 子どもの連動能力の低下傾向
3 「生きる力」の育成
 また、平成10年7月の教育課程審議会の答申では、「『体操』領域については、主として巧みな動きを高めることに重点をおいて指導するとともに、自分の体の状態に気付き、体の調子を整えることを重視し、内容を改善する。」と述べられている。
 以上の事柄をふまえて、子供自らが課題を持ち解決できる力を育てるとともに「楽しい体育」のよさを生かしながら体力づくりを図る、体操領域の学習の具体的な工夫を追求したい。
 本研究では、「体を動かす楽しさ」、「だれにでもできる心地よい動き」、「体力づくり」をフィットネスと捉え、楽しい体育の要素を生かしながら、「生きる力」の大きな柱である、自ら考え判断する力を育む指導法を追求したい。また、積極的に体力づくりに取り組むために、自分自身の体力を知り、自分にあった、エアロビクス(Aerobics:有酸素性運動、エアロビック・ダンス、ジョギング、なわとび等)、アネロビクス(Anaerobics:無酸素性運動、ダッシュ、チュープトレーニング等)を選び、サーキット(Circuit)で取り入れ、継続的に、かつ負荷の比重を変えながら行うことによって、子供の体力を向上させるあり方を、実践的に検証したいと考える。AerobicsのAとAnaerobicsのA、そして、CircuitのCをとってA・A・Cとした。(以下、A・A・Cと略記する)

II 研究の内容

1 1年次の研究
(1) 小学校におけるフィットネスのとらえ方
(2) 小学校高学年に適したエアロビクス・アネロビクスの種目選定とサーキットの組み方
(3) A・A・Cを体育科学習にどのように組み入れるか
2 2年次の研究
(1) 年間を通して、検証のための授業実践
(2) スポーツテストの結果の分析
(3) A・A・Cに関する形成的評価の実施及び分析
3 3年次の研究
(1) 体操領域へ移行(この研究を体操領域に組み込み、十分な時間を確保する)
(2) エクササイズの工夫(活動グループ、活動時間、ボールの重さ等)


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