福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -031/042page

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 平成9年10月の調査では、「なかよく」、「楽しく」、「精一杯」行っていることがわかるが、平成10年6月の調査では全項目の数値が下がっていることがわかる。これは、子供たちがA・A・Cに対し飽きがきていると同時に、子供自ら考え主体的にA・A・Cを行っていないからだと考察できる。しかし、平成10年9月の調査では、全体的に数値は伸びていることがわかる。これは、子供自ら自分の体について知り、バイキング方式でサーキットを組んで実施したことが数値の伸びにつながったと考えられる。子供にとって・バイキング方式のA・A・Cは情意面においては効果的だったと考える。

IV 研究の成果と今後の課題
(1) 研究の成果
 1(丸囲み)  3年目に体操領域に移行したことで余裕ができ、無理なく実施できたことは大変よかった。
 2(丸囲み)  メディスンボール、ラダー等を使用したりエアロビック・ダンスを取り入れたエクササイズを実施したことは、子供の興味・関心を高める点で効果的だった。
 3(丸囲み)  子供自身が自分の体力を知り、自分の手でサーキットを組む方法は、情意面を活性化するのに効果的だったといえる。
 4(丸囲み)  教育課程審議会の答申「体育の改善の基本方針」では、「体ほぐし」(仮称)にかかわる内容が示された。このような点からも体操領域で実践できたことは有意義であった。
 5(丸囲み)  体力の向上という点では、平成10年10月末のスポーツテストの結果をみてから考察したい。

(2) 今後の課題
 1(丸囲み)  A・A・Cのマンネリ化を防ぐという点から、エクササイズの工夫が常に必要である。また、子供自らエクササイズを考えていくことも大事である。
 2(丸囲み)  子供にとっては遊び感覚で行っているA・A・Cではあるが、一つ一つの動きが正確により有効なものになるように今後検討する必要がある。
 3(丸囲み)  A・A・Cが手軽に授業に取り入れられるよう改善を加えていく必要がある。

 最後に、本研究の推進にあたり、多大なるご協力をいただいた会津若松市立城南小学校の篠崎俊樹先生に厚く感謝申し上げたい。



〈参考文献〉
1) 文部省:「小学校指導書体育編」 東洋館出版社 1989年
2) 文部省:「小学校体育指導資料」 東洋館出版社 1995年
3) 福島県教育委員会:「平成9年度福島県児童生徒の健康、体カ・運動能カの現状」
4) 子どもフィットネス協会:『設立準傭室資料』 1996年
5) 宮下充正:「フィットネスQ&A」 南江堂 1996年
6) 窪田登:「スポーツマンのための筋カトレーニング」 ぺ一スポールマガジン社 1990年
7) 高橋健夫:「新しい授業研究の方法」 体育科教育 1996年9月号
8) 田中一昭:『自分にあった運動づくりを楽しむ体操の学習』 学校体育 1997年2月号
9) 高橋健夫:『「体ほぐし」そのねらいと内容』 体育科教育 1998年9月号


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