福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -030/046page

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るのとで違っていて少し驚いた。
 みんなで協カしてできたし、しかも自分で考えていた答えが間違っていたから、よけいにびっくりして印象に残った。

自分の予想と違ったときの驚きを体験し、強く印象に残った生徒が多かった。この実験の手法がある程度成功したと思われる。
 つまらなかったと答えた生徒の中に「動きの入った数学の授業のようだったから」という意見があった。

(3)実験を行う前に、この実験で何を調べようとしているのか分かっていたか?

グラフ

 9割近い生徒が目的意識を持って実験に臨んだことが分かる。今まで、実験を行う際に一番問題だったのが、この目的意識をいかに持たせるかということだった。
 ほとんどの生徒は、何のためにやる実験なのかがうやむやのまま実験に取り組み、終了間際になってやっと実験の意味が分かるということが多かった。
 このデータを見る限り、今までの実験プリントのように、最初に文章で実験の目的を掲げておくよりも、 問題形式で本実験の目的または内容を示し、生徒が各自の推論・答えを用意してから実験に入る方が、目的意識を持たせる上では有効であることが分かった。

(4) 実験を行ってみての感想・意見・要望等を書いてください。

実験する前に考えて予想した結果がはずれて残念だった反面、事実を知り、何とも表現できない喜びがあった。
実験をするとき、予想をたててやると興味が出るし、違っていたら違っていたでどうして?と考えさせられると思う。
結果がやってみないと分からなかった。これからの実験も結果が分かっているのをするのではなく、どうなるか予想もつかないような実験をして欲しい。

研究のまとめと今後の課題

1(丸囲み) 運動の法則および運動方程式に関する2つの実験を対比させることにより、生徒に対してより大きな驚きと印象を与えることができた。
 今までの生徒実験を工夫次第で魅力あるものに変えることができることが分かった。

2(丸囲み) 実験に対する目的意識を持たせるには、生徒が各自の推論・答えを用意してから実験に取り組ませる方が有効である。ただし、問題を作成するときには、その実験を実際にやってみなけれぱ分からないようなものに工夫して「よし、実験で試してみよう」という意欲を喚起するものにしなければならない。

 物理の本質をつかませるために、間違えやすい現象・実験の比較対象実験を今後とも取り上げていきたい。(例として、はねかえり係数の測定実験と、コンデンサーの並列放電実験等)
 そのような観点から今までの教科書にある生徒実験を見直し、少ない時間でより効果ある魅力的な物理実験を工夫していくつもりである。


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