福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -039/046page

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(3) 項目4の変容から
 調査の項目の中で唯一下降したところである。これは進路に対して「固い」「真剣」ととらえられていたものが、授業を通してむしろ身近なものに感じ、親しみがわいてきたものと考える。
(4) 項目9、10、11の変容から
 「啓発的体験活動」としての職業インタビューを手軽に疑似体験することで、生徒は進路に関する情報を映像や音声を通してはっきりした形でとらえることができた。このことが、直接体験へのイメージや見通しを深めさせ、今まで持っていた「複雑だ」「何かすっきりしない」「大変で忙しい」といった進路の学習に対するイメージを大きく変えたものと考える。同時に、コンピュータを使って調べる時間を十分確保したことにより、生徒は自分の知りたいことを自分のぺ一スで学習することができ、主体的な学習がなされたものと考える。
 以上の効果が関連し合い、項目12に見られるように、本時の活動を通して進路の学習への満足度が高まりを示したこものと考える。

IV 研究の成果と課題(○成果 △課題)
1 ソフトウェアの開発を通して
 ○ 画像資料(動画、写真)や音声資料を中心に情報を提供したため、生徒の学習意欲や興味・関心を高めるのに有効であった。
 ○ 自動的に起動されるようプログラムし、CD−ROM版として提供できるようにしたため、セットアップ等面倒な準備が必要なく、簡単に利用できるものとなった。
 △ ソフトウェアの内容の充実を図る上から、生徒が直接体験で得た地域の産業などの資料をソフトウェアに組み込める研究も進めていきたい。
2 授業における活用を通して
 ○ イメージ調査などから、特に生徒の学習意欲を高め、主体的な学習活動を支援する視点から授業改善に向けて有効であることが分かった。
 ○ 開発ソフトウェアが、進路指導における「啓発的体験活動」への意欲付けとそのきっかけを作る上で大いに役立った。(生徒・授業者の感想や意見より)
 △ 開発ソフトウェアの内容からみると小学校での活用も可能であると考える。小学校における具体的な活用法についても研究していきたい。
 最後に、本研究を進めるにあたり、取材に快く応じて下さった多くの方々、また、授業実践をお引き受けいただいた、双葉郡大熊町立大熊中学校の校長先生はじめ、諸先生方に厚く御社申し上げます。

《参考文献・資料》
・「中学生活と進路」(福島県'97年版)
・第16期中央教育審議会「中央教育審議会第二次答申」
・教育課程審議会「教育課程の基準の改善の基本方向について(中間のまとめ)」
・授業改善ハンドプック「授業の窓」授業を変える
 同 授業を創る(福島県教育資料研究会)

 今回開発した進路学習支援ソフト「働く人々に学ぷ」(CD−ROM版)をご希望の方は、福島県教育センター情報教育部まで電話かFAXでお問い合せ下さい。

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