福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -038/046page
て話し合ったり、他の生徒が調べている職業についても興味を持って学習したりする姿が見られた。
(3) 授業後の生徒の声
・ 職業の内容やインタビューの声がとても新鮮に感じ、どんな仕事なのかが分かりやすかった。
・ 今まで漠然と考えていた進路について、もっと真剣に考えなければならないと思った。
・ どんな高校に進学したらよいか見通しがもてた。職業について知っているのとそうでないのとでは大きな違いがある。
(4) 授業の声
・ 多様な職業についてソフトウェアを用いて学習できたことは、とても意味があった。画像を見ながら、また自分で選択しながらの学習は、集中した学習の持続につながっていた。
・ 進路学習には、具体的な例の提示が大変有効であるということを痛感した。3 生徒の意識の変容
授業における開発ソフトウェア活用の有効性を検証する目的で、「進路学習に対するイメージ調査」を実施した。
これは、相反した感情表現の項目を設定し、それぞれの項目ごとにどちらの感情に近い状態にあるかを事前と事後に調査し、その変化を見ることによって、進路の学習に対する情意面の変容をとらえようとしたものである。
以下に調査の結果及び考察を述べる。進路学習に対するイメージの変化は、下のグラフに示す通りである。〈結果及び考察〉
(1) 項目1、2の変容から
開発ソフトウェアを活用することで、情報を自分の意志に基づいて選択し、手軽に得ることが可能であるといった、コンピュータ及び開発ソフトウェアの持つ機能が有効に作用していたものと考える。
(2) 項目3、5、6の変容から
具体的な資料を提示することで、職業についてのイメージが漠然としていたものから分かりやすく、身近なものととらえられるようになったと考える。さらに、「楽しい」「好き」「おもしろい」といった学習への関心・意欲の高まりは、進路指導における授業改善に向けて大きな効果があったと考える。