福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -003/042page
創っていけばいいのか、そういうことについていろいろと研究を深めていただければありがたいと思います。
その中でも、副題に「総合的な学習の時間を中心にして」とありますので、「総合的な学習の時間」についてお話をするのが本日の中心的な課題となりますが、これからの21世紀がどんな学校を目指しているのかという大体の大枠をつかみながら、その中で「総合的な学習の時間」について焦点を当てていきたいと思っています。
2 学校がどう変わるかを説明する努力を!
先生方の学校には、これが届いていますか。(文部省パンフレットを提示して)ご覧になりましたか。これは文部省がっくったパンフレット 注1 です。文部省がこういうものをつくったのは初めてですね。簡潔に分かりやすくご理解いただこうという試みだと思うんです。
この前、8月20日に全国PTA研究大会が愛媛県の松山市でありました。その時に私も特別分科会のコーディネーターをさせていただいたんです。1千人くらい集まっていたでしょうか。その中で、あるお母さんが、質問をしたんですね。「何をやるのか文部省は簡単に説明していない」というんです。「いろんなことが言われいるけどよく分からない。簡潔に分かりやすく国民に理解を求めなければいけないのではないか。」というような質問だったのです。私もそのとおりだと思ったのですが、文部省の方は、「このようなパンフレットをつくってご理解いただいているんです。」と話していました。
分かりやすく理解してもらおうというのは文部省だけではないですよ。県の教育委員会だって、市の教育委員会だって、先生方のおられる学校だってそうですね。学校がこれから何をどうやろうとしているのかということを学校に来ている子どもの保護者や地域の方々に分かりやすく説明しているか、この問題はぜひ先生方も頭のどこかに入れておいていただければと思います。
それは学級担任も同じことです。先生方が自分の学級や学校をこれからどんなふうにしていくのか、どういう新しい学校をつくっていくのか分かりやすく子どもや保護者、地域の方にどう伝えていくのかということを分かっていただくようにしなければならないと思います。
アカウンタビリティという横文字がはやっていますが、それは「説明責任」という言葉に置き換えられます。要するに、いろんなことをやる人はみなさんに分かりやすいように簡潔に説明しなくてはいけない。この問題は、これからの学校づくりにあって基本的に大切なことだと思うんですね。そういう意味で、例えば文部省がこのようなパンフレットをつくったのはその流れの中の1つだと思うんですが、先生方の学校でも、またそれぞれの学級の先生方にあっても、そういうことがみなさんに伝わるように、そういう在り方を考えていただきたいと思います。