福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -025/042page

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研究紹介

「外国文化史」の学習において、
生徒に課題意識をもたせる学習指導の工夫

〜『マイ=ファイルノート』の制作をとおして〜

福島県立光南高等学校教諭  遠藤則宏

I 主題設定の理由

総合学科高校である本校では、生徒の多様な二一ズに応えるべく、130を越える選択科目を設けて、2年次以降は共通の目的意識を持った生徒が集う少人数制の授業が行われている。

その中で、世界史の文化史に関する領域を通年で学習できる「外国文化史」(2単位)という科目がある。この科目は、世界史関連科目の中では、大学受験を意識せずに科目選択ができる位置づけにある。

ところが年度当初にアンケートをとったところ、世界史の各領域の中でも、文化史は最も関心が薄く、“文化史イコール暗記”という先入観をかなりの生徒が持っていた。

このような文化史離れを引き起こした原因としては、授業形態が教師主導型で、生徒の主体性を引き出そうとする工夫が欠けていた点、また生徒が文化史的事象に関する資料・図書に触れる機会がほとんどなく、予備知識が少ない点があげられる。

以上のことから、「外国文化史」では、単元ごとにテーマを設定させ、生徒にそのテーマを資料・図書等を用いて調べてまとめさせるというスタイルを授業に取り入れたならば、生徒の課題意識及び独創性を引き出せるものと考え、本主題を設定した。

II 研究仮説

1 研究仮説

「外国文化史」の学習において、以下のような手立てを講じれば、生徒は課題意識を持ってテーマを調べるようになり、まとめの際に様々な工夫を凝らす楽しみを感じながら学習に取り組むことができるようになるであろう。
(1) 学習方法の工夫
(2) ノート作成方法の工夫
(3) 情報提供の工夫

2 仮説のとらえ方(手立て)

(1) 「学習方法の工夫」とは

単元の学習が終了した段階で、生徒に自由にテーマを設定させて、調べ学習をさせる。その後、調べてまとめた内容を発表させる。

(2) 「ノート作成方法の工夫」とは

従来までのノートではなく、授業プリントを綴るためのファイルをノートに見立てて、生徒に自分だけのオリジナルノート作りをさせる。

具体的には、単元が終了するごとに目次付きの「単元表紙」を作成させ、綴じる時には「単元表紙」→授業プリント→「調べ学習用紙」となるようなイメージを持たせる。(このノートを『マイ=ファイルノート』と名付ける。)


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